ハングリー精神でNPB入りをつかんだ。楽天から育成4位指名を受けた国立台湾体育運動大・永田颯太郎内野手(22)が1日、台湾・台中市内の同大で指名あいさつを受けた。

愛知・東海市出身で、高校までは日本でプレー。大学進学と同時に海を渡った。覚悟の留学だった。全国的には無名な存在。「僕が行ける大学の中で一番環境も良くて、一番強くて。このまま日本で同じように続けていても成長できないなと思ったので、決心がつきました」と振り返る。

チーム内の会話も学校の授業もすべて中国語。「自己紹介ぐらいは勉強したんですけど、発音が全然違った。聞くのもそうですけど、伝えたいことが伝えられないとストレスだった」。チームメートと積極的に会話を重ね、分からないときはスマホの翻訳アプリの画面を見せた。地道に努力を重ね、大学の在籍する学科コースで、クラストップの成績。1、2、4年時は奨学金を贈られた。

野球でも、自主性に任せられるチーム方針。守備は元ヤクルト内野手の宮本慎也氏(日刊スポーツ評論家)のYouTube動画を見て、打撃ではオリックス吉田正やバリー・ボンズの動画を見て研究。強肩を生かした正確な送球とパンチ力ある打撃が持ち味の選手へと成長した。

台湾では大学は6月卒業だが、必要単位はほぼ習得済み。1月の入寮からの合流をするため、学校と相談中だ。「守備もバッティングも走塁も。全部足りないと思うので、プロに行ってもっとうまくなりたい」。単身海外生活で培ったハングリーさで、まずは貪欲に支配下登録を目指す。【湯本勝大】

◆永田颯太郎(ながた・そうたろう)2000年(平12)10月11日生まれ、愛知県出身。東海市立名和中から菊華(愛知)に進み、1年夏からベンチ入り。2年夏は初戦敗退。3年夏は中京大中京に敗れ、3回戦で敗退した。19年に国立台湾体育運動大に進学。178センチ、74キロ。右投げ左打ち。

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