西武ドラフト5位の近江・山田陽翔投手(18)が4日、滋賀・彦根市の同校で指名あいさつを受けた。西武の潮崎哲也編成グループディレクター(53)から松井稼頭央監督(47)のサイン色紙やドラフト会議で使用したパスをプレゼントされ、「1月から始まるキャンプ(新人合同自主トレ)の話もさせていただいて、もうすぐプロ野球選手として練習ができる日々が近づいてきているなあと思うと、さらに身が引き締まって練習の取組が意識できるなあと思います」と実感をかみしめた。

甲子園春夏通算11勝は西武の大先輩、松坂大輔氏(42)と並ぶ記録。松坂氏に対しては「僕と比べるのがまずおかしい。たまたま同じ数字を残させてもらっただけなので比べないでほしい」と苦笑いする一方、「スライダーは見ている人を楽しませるボールだと思うし、イチローさんと松坂さんが対戦された時の名言は映像で見ました」。報道陣から松坂氏がイチロー氏を3打席連続三振に斬った後のヒーローインタビューで「自信が確信に変わりました」の明言について問われると「やめてください。早く(確信が)来ることを願っています」と照れた。

現在も始発で自宅を出て通学し、朝練習から行っており「体は万全です」と力強かった。だが、滋賀を離れ、西武の寮がある埼玉・所沢市での生活に関しては「寮生活が初めてでその辺の不安は少しある」と弱気な一面も。「睡眠は大事にするほうなので早くなじめるかどうか…。低反発の枕は必ず持っていこうと思うと。沈みこむような、包みこんでくれるような」と笑った。

学校近くには国宝彦根城が雄大にそびえ立つ。慣れ親しんだ地元への感謝も多きく、「ひこにゃんというかわいいキャラクターもいる。ふなっしーと並んでナンバーワンだと思う。全国の皆さんに知ってほしい。ライバルではないですけれど、自分も子どもたちに夢を与える選手になりたい」。ゆるキャラグランプリ1位に輝いた経験を持つヒーローの背中も追う。【鎌田直秀】

◆山田陽翔(やまだ・はると)2004年(平16)5月9日生まれ、滋賀県栗東市出身。治田西小1年時に治田西スポーツ少年団で軟式野球を開始。栗東西中時代は硬式の大津瀬田ボーイズでプレー。中3時の世界少年大会で優勝。近江では1年夏からベンチ入り。甲子園には3度出場し、2年夏4強、3年春準優勝、同夏4強。通算11勝は松坂大輔(横浜)に並ぶ5位タイ。7度の2ケタ奪三振は島袋洋奨(興南)と並ぶ最多タイで、通算115奪三振は3位。父斉さんは東邦の捕手で、92年夏の甲子園4強。175センチ、78キロ。右投げ右打ち。50メートル6秒0。遠投100メートル。