日本ハムへの入団が決まったドラフト3位加藤豪将内野手(28=前メッツ3Aシラキュース)が4日、都内のホテルで新庄剛志監督(50)と並んで入団会見に臨んだ。

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米国育ちのメジャー経験者とはいえ、加藤ほど、律義で礼儀正しい「日本人らしさ」を持ち続けている選手も珍しい。13年6月。ヤンキースからドラフト指名された後、マイナーでのデビュー戦で本塁打を放った。その際、広報担当が不在だったこともあり、取材対応は「NG」と伝えられていた。だが、試合後、加藤はマイナー施設の敷地外で待つ報道陣の前に、自らあいさつに出向き、質問に答えるだけでなく、「遠くから、わざわざ来ていただいてありがとうございます」と、頭を下げて謝辞を伝えた。

パドレス傘下エルパソに在籍していた21年7月。同僚の左腕投手カナレナがメジャーへ緊急昇格した際には、打席に立つ可能性がある同投手にバットと打撃用手袋を贈呈。その結果、同投手がナショナルズの剛腕シャーザーから満塁弾を放ったこともあり、同僚思いの加藤の「心遣い」が脚光を浴びた。

幼少時からイチローに憧れ、ヤンキース時代のオフには、イチローと一緒に神戸で合同トレをした経験もある。これまで「内野でも外野でも、チームに求められることをやります」と言い続けてきた。複数のポジションを献身的にこなすユーティリティー選手。加藤の「逆輸入」は、また新たな人材発掘のヒントになるかもしれない。【MLB担当 四竈衛】