つなぎ役もレフト守備もOK! 侍ジャパンの阪神近本光司外野手(28)が、初の「2番左翼」起用に応えた。3点リードの4回1死。オーストラリアの2番手右腕、ガイヤーから右翼線への二塁打を決めた。これが日本代表初長打。その後、近藤の左翼二塁打で4点目のホームを踏んだ。

1番塩見が凡退し、1死となった直後のチャンスメークだった。単打や四球でも盗塁して得点圏の好機をつくれるが、外国人投手に力負けしないこともアピールできた。「1死走者なし」からでも好機をつくれる新2番の可能性を示した。

今年7月の球宴以来となる左翼守備も安定していた。球宴時には「ボールの見方とか、自分にはレフトの方が合っている」と自己分析していた。近本が左翼に入ることで、「1番中堅」を争う塩見との“共存”も可能になる。1番塩見、2番近本の俊足コンビでかき乱す。WBC本番へ、栗山ジャパンに新たなオプションが加わったといえる。

今シリーズ出場した全3試でヒットを奏でた。5日の日本ハム戦では、初回先頭で安打&二盗成功。その後生還し、栗山ジャパン初得点を生み出すなど、リードオフマンとして申し分ない働きを見せた。9日オーストラリア戦でも2点打。スピードを重要視する栗山野球にフィットしている。

東京五輪組のカブス鈴木、ソフトバンク柳田らを含め、来年3月のWBC本番は激しいメンバー争いが予想される。だが、バットと足で、存在感を栗山監督にインプットしたことは間違いない。侍の上位打線を打つ準備は整った。【中野椋】

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