駒大(1部6位)が専大(2部1位)の専大を投打に圧倒し、1部残留を決めた。

最後の打者を三振で仕留めた瞬間、DeNA3位の林琢真内野手(4年=東邦)は、少しうつむいて、両手で力強くガッツポーズを作った。ベンチに戻り、チームメートの顔を見ると見る見る涙があふれた。「やったな」「ありがとう」。次々と声をかけられ、涙があふれた。「後輩たちは来年も1部でプレーできる。ホッとしています」。涙はすぐに笑顔に変わった。

1部のバトンを後輩たちにつなぐ。思いはひとつだった。「自分の仕事はとにかく塁に出て、先の塁を狙う。その役割を全うする、という気持ちでこの試合は入りました」。その言葉通り、初回、左前安打で出塁すると二塁へすかさず盗塁を決め好機を広げ先制点につなげた。「1人1人が何としても勝つと取り組んできた。追い込まれる前に振っていこうと決めていた」。全員がバットを短く持ち、コンパクトに初球から積極的に振り得点につなげた。

入れ替え戦前、大倉孝一監督(60)から選手全員に、チームカラーのオレンジに背番号が刺しゅうされたおそろいのリストバンドがプレゼントされた。この3試合、選手たちはそれを身に着け戦った。チーム一丸、心を合わせ戦った入れ替え戦。林は「1人ではここまで来られなかった。これからは、支えてくれた人たちのために恩返しできるようなプレーをしたい」と、神宮に誓った。【保坂淑子】

◆駒大・中畑清OB会長 初回から積極的な攻撃を見せたのが集中力につながったんじゃないかな。1部の歴史を選手がつないでくれた。褒めてあげたいですね。

◆DeNA吉見スカウト(3位指名の林について)先頭打者として、しっかりヒットを打ち、けん制球を2球された後の初球で盗塁を決めた。相手に走ってくると警戒されているところでもしっかり決められるところがいい。脚力、守備は間違いないですね。