「チカナカ」で「アライバ」超えよ! 阪神中野拓夢内野手(26)の来季「2番二塁」が16日、決定的となった。

高知・安芸での秋季キャンプ第4クール3日目、岡田彰布監督(64)が1番近本、2番中野が最善だと明言。さらに中日時代の黄金コンビ「アライバ」を超える3割超えの打撃成績も指令した。指揮官はコンバートに挑戦している中野の二塁守備についても「十分よ」と合格点。高評価連発の背番号51が黄金コンビ確立を目指す。

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まだシーズン開幕の4カ月以上も前だというのに、岡田監督はすでに来季の1、2番を明確にイメージしていた。

「俺は近本、中野がええと思う。その1、2番がベストやないかなと今思うけどな。1、2番はそれで収まってほしいよな。足が魅力やしな」

中野に関しては、コンバートに挑戦中の二塁守備に太鼓判を押された事実が何より大きい。1年目の昨季から遊撃スタメンに定着。2年目の今季は出場135試合すべてで遊撃に就いた。しかし、肩の強さが不安視され、指揮官の意向もあり、秋季キャンプから本格的に二塁守備に挑戦していた。

この日、岡田監督は二塁手中野について早々に「十分よ」と合格点。背番号51も「徐々に慣れている。マスターできるように頑張りたい」と充実感を漂わせ、早くも1番中堅近本、2番二塁中野にめどがついた形だ。

ただ、指揮官が求めるレベルはかなり高い。中日の黄金期を支えた荒木、井端の1、2番コンビを報道陣から例として挙げられると、「(打撃で)それの上、いかへんと。いやらしい1、2番を目指して欲しい」と要求。中野には「最多安打狙っとって2割7分(6厘)やろ? 結局。どっちか言うたら3割目指してほしいよな」とも命じた。

岡田監督に言わせれば、レジェンド直伝のコツがある。「俺は昔、川上(哲治)さんに『3打数1安打1四球で首位打者なれるよ』と言われた。固め打ちではなくて、1試合に2回出塁。どこかで4タコでも、次で3打数2安打と」。一方の中野も「打率3割も大事。出塁率も上げて、中軸がもっと打点を稼げるような状況を作ってあげられるのが1番」と気合十分だ。

二塁中野がガッチリ固まれば、正遊撃手争いはさらに激しさを増すことになる。強肩を買われている小幡が有力で、木浪の評価も上昇中だが、さらなる刺客が送り込まれる可能性も出てくる。今季セ・リーグ3位の157安打を記録した背番号51。「アライバ」級コンビへの成長は、そのまま虎の底上げにつながる。【三宅ひとみ】

◆「アライバ」の1、2番コンビ 中日の黄金期を支え、2000年代序盤から10年以上にわたって続いた二遊間コンビ。「1番二塁」に荒木雅博(現中日内野守備走塁コーチ)、「2番遊撃」に井端弘和が入っていた。同ペアは04~09年の6年連続でゴールデングラブ賞を独占するなど、守備面で鉄壁を誇った。攻撃面でも、ともに2割台後半~3割超えの好打率を残し続け、バントなどで揺さぶりをかけてクリーンアップにつなげる役割を発揮。荒木は通算で2045安打を放ち、生涯打率は2割6分8厘、284犠打。井端は1912安打を放ち、2割8分1厘、248犠打の成績を残した。好守を含め、最強クラスの二遊間コンビとして、プロ野球界を席巻してきた。

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