アレへの手応えは十分よ-。阪神は21日、高知・安芸の秋季キャンプを打ち上げた。岡田彰布監督(64)は3週間に及ぶ鍛錬を振り返り、主軸の大山悠輔内野手(27)を中心とした戦力の底上げに自信をのぞかせた。悲願の18年ぶりの「アレ(=優勝)」についても「それぐらい選手に力がある」と豪語。実りの秋で得た成果を来年の春季キャンプにつなげる。

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快晴の安芸の空のもと、岡田監督が充実感たっぷりに3週間を総括した。「思った以上に選手も動けるし、この中から来季の1軍の戦力はほとんどいてると思う。思った以上のキャンプを送れた」とニンマリだ。ここ数年はコロナ禍で、評論家として間近で見る機会はなかった。グラウンドで選手の動きをチェックし、「想像以上。能力高いよな」と、目を細めた。

その中でも、特に変化を感じたのは、不動のクリーンアップ、一塁手として期待する大山だ。キャンプ初日から打撃面でアドバイスを続け「変わったんは確か。大山も3週間でな、やっとこのぐらいまできた感じよ」と喜んだ。この日のフリー打撃では39スイングで11発。ケージのすぐ横で岡田監督が見守る中、最後の一振りで左翼へ豪快にアーチを描き、ファンの大喝采を浴びた。

今季よりも打つポイントを前にし、さらにボールの上をたたき、スピンをかけるハイレベルな打法も伝授。大山本人も「もらったアドバイスは自分が思ってなかったこともあって、新たな発見があった。いい感覚にもなった。難しいがプロで結果を残されている方のアドバイスはプラスになる。よかったです」と、感謝した。

この秋は実戦練習を行わず、指揮官は基本の反復練習を徹底させた。この日のシートノックでは、外野手が中継のカットマンへ低く早く返球するなど、チームの方針をナインが理解してきた。岡田監督は「今日の動きを見ても、見た目にも全然違う。思った以上にここまできた」と課題の守備力向上にも手応えをつかんだ。

キャンプのMVPを問われても「みんな一生懸命練習やってんだから、そら選手全員でしょ」とほめた。18年ぶりの悲願の「アレ(=優勝)」に向けても「普通にやるだけ。こっちの方が重きに置かれるかも分からないね。それぐらい選手に力がある」と断言。3年ぶりの秋季キャンプの舞台となった安芸は、岡田監督が現役時代から鍛えてきた場所。「ここからスタートできてよかった」。アレへの期待が膨らむ安芸の3週間になった。【石橋隆雄】

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