ベテラン左腕のソフトバンク和田毅投手(41)が、最速150キロボディーを目指す。29日に所用でペイペイドームを訪れ「150キロを目指してやるわけではないですけど」と前置きした上で「年齢が上がっていくと、瞬発系はどうしても落ちていく。それを補うために出力を上げていかないと。スピード×力がパワーになるので」。今季は自己最速を1キロ更新する149キロを計測した。来年2月に42歳を迎えるが、向上心も年々増している。

出力アップとは根本的に体を鍛え直すこと。「練習の鬼」として知られる和田は「体幹だったり、下半身。走ることと並行しながらそれをメインに」とビジョンを明かした。「けがの予防にもつながっていくと思う。出力を上げるというのはいろんな意味がある」。球速以上に伸びる直球をさらに磨く。年内は福岡県内で汗を流し、年明けからは後輩の板東、藤井らと自主トレに励む予定だ。

20年から8勝→5勝→7勝を記録してきた。おのずとパ左腕初の40代投手による2桁勝利も視野に入る。「ちょっと異次元な数字ですけど」と苦笑いしたが「現役である以上、それに挑戦する権利はある。求めていきたい」と力強かった。「投球回も伸ばしたい。言い出したらキリがないですけど、あくなく求めていかないといけない。そういう気持ちでやっていかないと落ちていくだけなので」。NPB通算150勝左腕が、覚悟の冬を迎える。【只松憲】

○…和田が年明けの自主トレに初参加する板東、藤井に太鼓判を押した。板東は今季終盤に先発に定着し3勝。藤井は「8回の男」として55試合に登板し、来季は先発転向を目指す。「ある意味2人とも完成された投手。自分が教えることはほとんどないのかもしれないですけど、いろんな話をしながら1つでも2つでも彼らのためになってくれたら」と、後輩たちと切磋琢磨(せっさたくま)する。

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