ヤクルト西田明央捕手(30)が2日、都内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、200万円減の2000万円(金額は推定)でサインした。

来季の目標を色紙に「諦めない」と記した。「坂口さんがやめることを伝えてくれた時に、『諦めるな』と書いたバットをくれたんです」。今季限りでの引退を決断し、公私ともにお世話になってきた坂口智隆外野手(38)から受け継いだ“坂口魂”だった。

「結婚して子どもも出来て、言い方は悪いけれど(プロ人生が)細く長くでもいいかなという気持ちもあった。2軍でやっていてもつまらないし、1軍の舞台で活躍してナンボの世界なので、やったろうという気持ちになりました」。心が折れそうになった時にも前を向ける“お守り”替わりでもある。現在は大事に保管してあるが、近日中に予定している引っ越し先では、自室にバットを飾る場所をつくって“パワースポット”にするつもりだ。

昨年オフから坂口氏の助言を受けて、バットの長さを約5センチ程度長くして、打撃改造に取り組んできた。今季は1軍出場10試合出場で13打数4安打、打率3割8厘に終わったが、「打席の中で間が生まれた」と手応えも得つつある。「やっぱり打てないと1軍にずっといることは出来ない。ミスショットをしないように取り組んでいきたい」。今オフも再び、神戸で坂口氏との自主トレを実施する予定だ。

坂口氏との師弟関係が生まれたきっかけを問われると「1発目の沖縄キャンプで『酒、飲めるの?』と聞かれて、ご飯に行くようになって意気投合って感じです」と笑わせた。関係性には「家族、お兄ちゃんかな…。坂口さんが24年やったので、それと同じくらいいけるように頑張りたい」。“兄”へのあふれる思いを、目を潤ませながら熱く語った。坂口氏との関係同様に、野球人生を太く長くするために、諦めない-。【鎌田直秀】

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