中日は26日、ロッテ加藤匠馬捕手(30)を無償トレードで獲得したことを発表した。中日加藤宏幸球団代表は「捕手の充実が急務なチーム状況で、ロッテ球団の理解があって話がまとまりました。復帰する加藤捕手はドラゴンズ投手陣の力量などをよく把握していると思います。ロッテ球団およびパ・リーグで学んだことを生かしてくれると、期待しています」と説明。今回のトレードは、野球協約105条に基づいて行われ、今オフに広島から巨人に移籍した長野久義外野手(37)と同様のケースになる。

中日は、今秋のドラフト4位で山浅龍之介捕手(18=聖光学院)を獲得したが、捕手登録選手が6人しかいない。うち石橋はオフに右ヒジ、左膝の手術を受けリハビリ中で、郡司も打撃優先で外野練習などを継続中。2軍を含めた捕手層の強化の一環でトレードが行われた。加藤匠は21年途中に加藤翔との1対1のトレードで中日からロッテに移籍。同年は57試合に出場。今年は高卒1年目の松川の台頭などで出番を減らしていた。

今オフの中日は、楽天涌井と阿部、DeNA砂田と京田の1対1のトレードを実施。今回のトレードで3件目。他にも現役ドラフトで笠原を放出し、DeNAから細川を獲得した。また新外国人としてメジャー通算41本塁打のアリスティデス・アキーノ外野手(28)、20年まで3年在籍したソイロ・アルモンテ外野手(33)とオルランド・カリステ内野手(30)を獲得するなど、積極的に戦力強化を行っている。

 

◆野球協約105条(選手契約の譲渡)

(1)球団は、その保有する選手との現存する選手契約を参稼期間中、又は保留期間中に、他の球団に譲渡することができる。

(2)選手契約が譲渡された場合、契約に関する球団の権利義務は譲り受け球団に譲渡される。

◆加藤匠馬(かとう・たくま)1992年(平4)4月29日、三重県生まれ。三重、青学大を経て14年ドラフト5位で中日に入団。強肩捕手として、19年には92試合に出場した。21年6月に加藤翔と1対1のトレードでロッテに移籍。毎年1月の自主トレは中日大島らと行っている。175センチ、76キロ。右投げ右打ち。

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