監督、開幕から任せてください! 阪神湯浅京己投手(23)が15日、沖縄・宜野座で梅野らと自主トレを公開した。

3月WBCの侍ジャパンメンバーに内定している右腕は、阪神では今季守護神で起用される方針。岡田彰布監督(65)は右腕がWBCに出場する場合、大会終了日から間もない3月31日開幕DeNA戦(京セラドーム大阪)は代役守護神をイメージしているが、本人はシーズンスタートから9回を投げる気満々だ。開幕守護神の座は果たして…。

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雨雲が去った南国の蒸し暑い環境下で、湯浅の剛球がミットを鳴り響かせ続けた。宜野座のブルペンに入り、梅野らを相手に42球。破壊力抜群の直球を主体にスライダーも交えた。「去年のこの時期に比べて、今の方が全然感覚よく投げられている。いい調整ができているんじゃないかな、と」。「チーム梅野」に初参戦。充実ぶりが表情からにじみ出た。

昨季「8回の男」としてブレーク。3月のWBC侍ジャパンメンバー内定を勝ち取った。今季阪神では岡田監督がすでに守護神起用の方針を明言している。

ただ、WBCでは約1カ月間、NPB公式球とは異なるボールを扱う。仮に米国マイアミで日本時間3月22日に実施される決勝まで進んだ場合、阪神開幕戦の31日までに中8日しかない。指揮官は疲労度、時差も考慮して「最初(開幕)はそら使えんと思うよ」とイメージ。それでも湯浅は「WBCから日本のボールに戻す方が、自分の感覚的には全然いける。開幕からいけるように調整していきたい」と泰然自若だ。

さらなるレベルアップを求め、横スライダーの習得にも着手している。昨季までは縦変化のスライダーを投げていたが、今オフは横曲がりに挑戦中。昨年11月の侍ジャパン強化試合期間中にオリックス山崎颯から握りなどを教わったといい、「なるべく真っすぐと同じ軌道でいけるように、バッターが嫌がるボールを目指してやりたい」と目を輝かせる。習得できればWBCでも使用する予定だ。

WBCに向けては「やるからには世界一を取りたい」と気合十分。そして、大会終了後は虎の守護神として23年シーズンに挑む。「終わった時に、去年より成長できたといえる1年にしたい。開幕からファンの皆さんに成長した姿を見せられるようにやっている途中なので。この時期を大切にして、もっともっと成長して開幕に臨めたら」。開幕直後、9回のマウンドに誰の姿があるのか。背番号65の覚悟に注目だ。【古財稜明】

◆トラの開幕守護神事情 岡田監督は昨季最優秀中継ぎのタイトルを獲得した湯浅を、23年の守護神に起用すると明言している。ただ、湯浅は3月開催のWBCメンバー入りが内定。滑りやすいとされるWBCの使用球から感覚を取り戻すまでの時間が必要になりそうで、その間は「代役守護神」として昨季も抑えを経験している来日2年目のK・ケラー、新外国人のビーズリーを想定している。開幕直後の守護神はしばらく流動的になりそうだ。昨季28セーブの岩崎はセットアッパーで起用する見込み。

○…梅野が湯浅の仕上がりに太鼓判を押した。自主トレ中のキャッチボール相手を務め「球筋を見る限り何の問題もない。安心してやっていけるんじゃないかな。細かいところまで追求する性格なので、あまり心配してないです」ときっぱり。自身は21年に侍ジャパンの一員として東京五輪の金メダル獲得に貢献。3月WBC選出が内定している右腕へ「短期決戦ですし、持ち味のハートの強さを前面に出して、自信を持ってマウンドに上がってほしい」とエールを送った。

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