伸び悩む「ロマン砲」では終わらない。

ソフトバンク・リチャード内野手(23)が真の「大砲覚醒」を誓った。師と仰ぐ西武山川らと年明けから合同自主トレ。福岡、そして故郷沖縄に場所を移しての2次自主トレでも、バットを懸命に振り込んでいる。

「常に不安しかないですけど、今年のテーマは『がむしゃら』です」

連日3時間以上の打撃練習。汗まみれのTシャツ姿で快音を響かせている。

大きな体に「悔しさ」をしまい込み、6年目の今季は「惑わない心」も誓った。

「去年はいろいろと考えすぎたというか…。今年は自分を貫きたいと思っています」

飛躍が期待された昨季は23試合で3本塁打、打率1割5分9厘。三塁争いどころか、開幕メンバーに入りながら打撃不調。何度も2軍降格を繰り返すエレベーター生活で、打撃不振の迷宮をさまよった。さらにオフに派遣されたプエルトリコのウインターリーグでも体調不良などに苦しんだ。

打席で迷わないため、自主トレでは「ルーティン」も考案。打席でリラックスできるように、ホークスにも所属したアレックス・カブレラの代名詞でもある背筋反りポーズを取り入れた。西武、オリックス、ソフトバンクの3球団で通算357本塁打を記録した助っ人の動きを参考に、コンタクト率を高めるつもりだ。

「飛距離はいらない。とにかく捉える確率を上げたい」

自主トレでは山川からも中堅方向へ打ち返す打撃をアドバイスされた。

「今年は何を言われようが揺るがないでしっかりやりたい」

惑わず、揺るがず…。10キロほど引き締まったボディーにも、その決意が表れていた。【佐竹英治】

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