ロッテ育成3位の勝又琉偉内野手(18=富士宮東)は、「テレビで見ていた人たちと一緒に練習できて楽しいです」と素直な気持ちを言葉にし、多くを吸収することをテーマに掲げた。

28日、沖縄・石垣島のキャンプ地先乗り組での合同自主トレ後では、アップやキャッチボール、ノックなど、先輩たちとの時間を過ごした。「バッティング練習を見ていてもフルスイングで形がきれい。高部さんとかは走っている姿もすごくきれいで、走り方とかも参考になりました」とすべてが新鮮に映っている。

個人での打撃練習では、打撃投手を相手にバットを振り込むなど、木製バットに慣れることを一番の目的としている。知人が用意してくれたバットの中から「重さや感覚がしっくりきたので」とオリックス森友哉捕手モデルのバットを選んで自主トレに励んできた。ミドルバランスの86センチ、880グラムのバットを手に「芯に当てて飛ばすことを意識している」とスイングを重ねる。

50メートル5秒8の俊足も兼ね備える188センチの大型遊撃手。「全部下手くそなので、守備もバッティングも両方力を入れてやっていこうと思います」。同ポジションには新人だけで4人、2年目以降の選手でも茶谷、小川、平沢などが定位置を争うチーム最激戦区だ。「池田来翔選手と(友杉)篤輝さんとかがすごいので参考にしたい。ライバルが多い、難しいポジション。みんなと違うようなショートになれればいい」。キャンプに入れば「ロッテのショート」の代名詞でもある小坂誠内野守備兼走塁コーチもいる。「基本を教えてもらいたいです」と願った。

名前は「琉偉(るい)」。沖縄県を意味する「琉球」の1字を有するが、「名前の由来は聞いたことないので分からないです。(沖縄には)関係ないと思います」。静岡県富士市出身で、沖縄訪問は人生初。「暖かくてシーサーとかいっぱいあるなあ」というイメージ。「ドラゴンフルーツを久しぶりに見ました。食べていないです…」と笑顔は初々しい。細身の体重は公称は78キロだが、「72・5キロ。軽いです」と苦笑い。「とりあえずこの1年間で80キロとかくらいに。プラス10キロくらい増やしたいです」。富士山麓で生まれ育った純朴な高卒ルーキーが、まずは南の島から高々とそびえるプロの頂へ登り始める。【鎌田直秀】

【関連記事】ロッテニュース一覧