“衝撃の引退”からはい上がる。ソフトバンク育成ドラフト14位、盛島稜大捕手(18=興南)だ。

昨夏の甲子園に出場したが、1回戦で敗退。同点の9回1死満塁で、まさかのサヨナラ押し出し死球を献上した。「何が起こったのか分からなかった。頭が真っ白」。あまりに無情な幕切れで、高校野球が終わったのだ。

盛島は扇の要だった。「あの試合、1球の大切さが本当によく分かりました。勝負は単純ではない。違う配球をしていたら結果は違っていたかな。あの1球で多くのことを感じました」。ただ自分を責めた。

無念に終わった興南(沖縄)から唯一、プロ入りした。12球団で最終126番目に指名された男だ。「あとは上に上がるだけです。厳しい世界だけど、悔いのない終わり方ができるようにしたい」。春季キャンプは筑後のC組で奮闘中。「あの1球」で人生を変える。【只松憲】

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