今季から指揮をとるロッテ吉井理人監督(57)が決断した、極めて異例の「1、2軍の区分けをしない」キャンプ。監督、コーチ計22人、選手76人がともに練習する主な狙いはこうだ。

(1)選手やコーチ陣全員が互いの特徴や能力の把握

(2)ベテランや若手を問わないコミュニケーション

(3)一致団結した意思統一の中での競争意識

(4)個々に合わせた課題に向き合う練習

指揮官は「すんなり入れると思ったけれど、興奮して眠れなかった」と苦笑いした初のキャンプインだった。メイン球場、第二球場、ブルペン、室内練習場などを車で縦横無尽に移動した。現役時代と同じ背番号「21」のユニホーム姿。「久しぶりで変な感じ。ただオッサンが着て歩いているだけなんで恥ずかしいかな。白髪に野球のユニホームは似合わない」と自虐ネタにしながらも、いつも笑顔でどこか楽しそう。

主将の中村奨や盗塁王の高部らと、育成の高卒新人選手が同じグラウンドで一緒に練習する姿は思惑通りだ。高卒6年目で期待する安田が大声で盛り上げる姿にもニンマリ。高部も「新鮮。若い子とも一緒にやったり、コーチ陣にもいろいろな人に聞けたり。良かったと思う」と歓迎した。

福浦ヘッドコーチや、今季から就任したサブロー2軍監督らも選手をサポートした。一方で練習メニューについて、吉井監督は「もう少し野手の全体練習をコンパクトにして、選手たちにやりたいことをやらせようかなと思っていたんですけれど…」と自主練習を増やす改善点も見つかった。試行錯誤しながらの新たな挑戦。「もうちょっと見てみないと分からないですね」。まずは、みんな一緒に突き進む。【鎌田直秀】

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