日本ハムから移籍した「直球破壊王子」こと阪神渡辺諒内野手が、新天地でも持ち味を発揮した。

シート打撃で才木の外角高め149キロ直球を強振。異名通りの破壊音を宜野座に響かせ、左中間最深部のフェンス直撃の二塁打をマーク。「チームとしてしっかり真っすぐを打ち返そうというテーマでやっていたので、それがいい結果になったかなと思います」と振り返った。

古巣では幾度とパ・リーグの剛腕の直球を打ち砕き、その名を世に知らしめた。「僕自身真っすぐを打たないと打率も上がってこない。一発で仕留めることを打席の中で考えていた中で、今日はそれができてよかった」。今キャンプでは打撃マシンで速い球を引っ張ることに重きを置いている。「それが出たので、継続していけたら」と力を込めた。

二塁を本職としているが、レギュラーが決定的の中野がWBC日本代表に選出されたことで、2月中旬以降は試合出場のチャンスが広がる見込み。かねて「セカンドの機会が増えるかもしれない。しっかりいろんなところでアピールできれば」と話している。新しい職場でも特長を存分に生かし、レギュラー争いに食い込む。【古財稜明】

◆渡辺諒(わたなべ・りょう)1995年(平7)4月30日生まれ、茨城県出身。東海大甲府から13年ドラフトで日本ハム栗山監督が松井裕(桐光学園)柿田(日本生命)岩貞(横浜商大)と抽選3連敗後に1位指名で入団。19年には自己最多の126安打、11本塁打。昨オフ交換トレードで阪神移籍。通算447試合、372安打、28本塁打、145打点、打率2割5分7厘。178センチ、86キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸4000万円。

◆直球破壊王子とは 渡辺諒が日本ハム時代から直球に抜群の強さを誇り、日刊スポーツが20年開幕前に命名した。18年7月に、速球派のソフトバンク・バンデンハークから2打席連発でブレークの足がかりをつかんだ。20年8月は西武ギャレットの160キロ前後の剛速球攻めに打ち勝ち、左前へ2点適時打を記録。「直球破壊王子」がツイッターでトレンド入りした。

○…原口文仁内野手がシート打撃で唯一のマルチ安打と結果を残した。まずは左腕大竹の直球をはじき返して左前に運んだ。さらにWBC日本代表に選出されている湯浅からも低め直球を引っ張り左翼線へ二塁打。いずれも直球を力強く振り抜いた。「真っすぐをいいポイントで打てているのは、いい傾向。今のところ順調にしっかり練習できている」と納得の表情を見せた。

○…7日のシート打撃で「アベック1号」を放ったノイジーとミエセスは再びアーチの競演とはならなかった。第1打席ではともに右腕加治屋の前に見逃し三振に倒れた。第2打席では左腕大竹と対戦。ノイジーはバットの先に当て遊ゴロに打ち取られ、続くミエセスは直球を捉えて中前へと運んだ。両外国人は7日同様に2打席に立ち、実戦感覚を養った。

○…WBC日本代表に選出された湯浅京己投手が、今季初の実戦形式となるシート打撃に登板した。大会公式球を使用。原口に左翼線への二塁打を浴びるなど、打者4人に対して3安打を許した。「ヒットは打たれましたけど、結構感覚よく投げられたボールもあった。(習得中の)横スライダーもいい感じでファウルになってくれた。あれがもうちょっと低くいけばベスト」。球場表示では155キロを計測し、「本当かどうかわからないですけど、出てればいいな」と願った。

○…才木浩人投手がシート打撃に登板し、打者6人に対して安打性1本、1四球にまとめた。今季初めての実戦形式のマウンドで、自己最速を1キロ更新する154キロを計測。直球中心の組み立てで、渡辺諒には左中間への二塁打を浴び、中野にはストレートの四球を許すなど、課題を残した。「無駄に力が入って力んで投げてしまって、感覚はイマイチだったかなというのが率直な感じ」と反省した。

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