巨人坂本勇人内野手(33)に、今季1号弾が飛び出した。4日、那覇キャンプで韓国サムスンとの練習試合に「6番指名打者」でスタメン出場。7回先頭の第3打席に、バックスクリーン左横に運ぶ特大弾を放った。今キャンプ実戦12打席目にして初安打初本塁打。試合途中から遊撃の守備にも就いた大黒柱に、キャンプ最終戦で快音が戻ってきた。

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真芯で捉えて風に乗せた打球が、バックスクリーン左横まで伸びていった。坂本は7回先頭の第3打席、2球見送りカウント1-1から振りにいった。内角に甘く入った145キロ直球を見逃さず強振。6回までゼロ行進の打線に、追い風を吹かせる1発に「いい当たりでした。数少ないですけどね、あの1本に限ってはいいスイングができました」。手応えを感じ、試合後は室内でマシン打撃で確認するように打ち込んだ。

実戦の中で生きた球にトライを繰り返していた。初の対外試合となったオープン戦広島戦(2月25日)。第1打席は初球、第2打席は3球目と、早打ちでも打てる球を打ちにいき、いずれも外野フライ。「いろいろ意識しながら、強く振ることはちゃんと頭に入れてずっとやっているんで。試合になるとなかなかそうはさせてくれないですけど、今日に限っては良かったですね」。好球必打で、実戦感覚を植え込んでいた。

キャンプ移動前日、フレッシュなパワーにあえて触れた。ドラフト1位浅野翔吾外野手(18=高松商)、同2位萩尾匡也外野手(22=慶大)の自主トレに、飛び入り参加。一緒にノックを受け、新たな気持ちでプロ17年目のキャンプに臨んだ。練習では、手のひらにマメをつくり振り込む日々が、実戦13打席目にして初安打初本塁打となり、「結果が出て良かったです」と形になり始めている。

12球団最長の33日間に及ぶキャンプ打ち上げ前日に、大黒柱の1発。原監督も「もともとできる人ではあるけど、本人の中で何かきっかけになれば一番いいですね」。個人としても巨人としても大きな収穫を得て、キャンプを締めくくる。【栗田成芳】

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