3人そろって目を覚ませ! 阪神岡田彰布監督(65)が23日、開幕前ラスト実戦となる24日からのオリックスとのオープン戦3連戦(京セラドーム大阪)で、主力トリオの奮起を促した。打率が1割台まで落ちた近本光司外野手(28)には、「ボテボテの内野ゴロ」を打つように珍指令。大山悠輔内野手(28)と佐藤輝明内野手(24)の復調はもちろん不可欠で、1、4、5番に残り3戦で結果を出しての安心感を求めた。

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帰阪前の東京駅で取材に応じた岡田監督は自ら「近本」の名を挙げ、険しい表情で話し始めた。「近本もなあ、隠れとるけど、そんなええことないよ、はっきり言うて」。大山や佐藤輝にゲキを飛ばすことはあったが、近本には珍しい。今季はリードオフマンを託すが、オープン戦は終盤にきて打率1割9分6厘と下降。例年スロースターターとはいえ、打撃の内容にもどかしさを隠せなかった。

「ちょっと理想を追い過ぎると思うな。きれいなヒットを打ちたいっていうかな。力強さとか本人はそういう工夫でやってるけど。やっぱり一番の武器は、ボテボテの内野安打よな。でも、振り切ろうとするから内野安打にならんやろ」

“原点回帰”を促した。「俺も1回やったやん」と2月の沖縄・宜野座キャンプで近本や中野らに指導した「内野安打打法」の有効性を強調。内野安打を狙うようにトスを三遊間に打ち返し、一塁を駆け抜けると通常より0・3~0・4秒ほど、一塁到達タイムが早まった珍練習だ。「当て逃げでどのくらい速いか。自分の特徴というのをな」。盗塁王3度の快足を生かした泥臭いヒットが、復調のきっかけになると指南した。

4番大山もオープン戦の打率が1割4分9厘と低調が続く。「シーズンで爆発するかもわからへんし。でも調子を上げていってくれて行った方が、こっちは安心感があるということや」と奮起を願ってやまない。直近3試合無安打で、同2割4厘の佐藤輝についても同じ考えだ。「今まで(打線の)理想を追い求めてやってきたわけやんか。あいつらが引っ張っていくしかないわけやんか」。今さら根幹の打順は変えず、開幕は1番近本、4番大山、5番佐藤輝に託す方針。今一番ほしいのは、開幕前最後の3連戦での復調、そして安心感だ。【古財稜明】

○…正遊撃手をかけ、木浪と小幡が開幕前最後の「3番勝負」に臨む。岡田監督はここまで交互にスタメンで起用してきたが決着はつかず。24日からのオリックス3連戦について「固定するかもわからんけどな。まだちょっと流動的や。決め手がないというか遜色ないもんなあ」と思案した。当初は小幡を最有力に挙げるも、1度木浪がまくり、再び小幡が追いつく展開。攻守で安定感が出てきた小幡を評価しつつ、経験値のある木浪も尊重する。勝負の行方は果たして。

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