これが23年虎打線! 阪神が3・31開幕DeNA戦を想定したオーダーで、オリックスとのオープン戦最終ゲームを終えた。

WBC侍ジャパン組の中野拓夢内野手(26)が「2番二塁」でチーム復帰後初出場&初先発し、左前打で体調の良さをアピール。岡田彰布監督(65)は「8番遊撃」で先発した小幡竜平内野手(22)の開幕遊撃も明言した。二遊間が固まり、18年ぶりセ界制覇へ出陣態勢が整った。

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日本中を沸かせたあのポーズを早速取り入れた。4回無死一塁。中野は山岡の139キロカットボールを捉えた。ライナーで左前へ。虎復帰後初安打を放つと、一塁ベース上で「ペッパーミルパフォーマンス」を決めた。侍ジャパンでヌートバーが披露し、全国各地の野球ファンがとりこになったパフォーマンス。世界一の勢いそのまま、背番号51が帰ってきた。

中野 1打席目が全然良くなかったので、なんとか自分らしい形で終わりたい、と。逆方向に自分らしいヒットが出た。

初回の第1打席は山岡の143キロ直球に見逃し三振。WBC1次ラウンドで2試合スタメンを経験した男は、ただでは終わらない。2打席目にきっちり快音を響かせフル出場。「シーズンに入ったら143試合出たい気持ちがある」。23日に帰国したばかりだが、疲労感を感じさせなかった。

中野の帰還で虎の開幕オーダーも完成した。岡田監督は試合後、この日のスタメンはDeNAとの開幕戦を想定したものだと明言。3番ノイジー、4番大山、5番佐藤輝、6番ドラフト1位森下…。「8番遊撃」には「小幡でいくっていうことやから」とプロ5年目22歳の起用を決めた。「守備とかいろんな意味を含めてな」と指揮官。昨秋キャンプからの木浪との遊撃争いに、ひとまずは終止符が打たれた形だ。

かねて強肩を評価されてきた若武者が遊撃に入ることで、虎の新二遊間も固まった。過去2年、遊撃レギュラーを務めた中野は「普段から竜平とコミュニケーションをとっている。あとは細かいところを会話していけたら」。残り期間で細部を詰めていくつもりだ。

岡田監督は中野について「あと1試合ぐらい打席に立ってもええ」ともイメージ。28日からのウエスタン・リーグ、オリックス戦に派遣し、最終調整させる方針だ。「今年は開幕戦にしっかり勝ち切って、いい流れで入っていけるように」と中野。世界一からセ界一へ。最高の準備で「3・31」に向かう。【中野椋】

○…開幕4番大山悠輔内野手は開幕へ臨戦態勢を整える。この日のオリックス戦は3打数無安打1四球に終わったが、24日の同戦では今春実戦初アーチ、翌25日は2戦連発を決めた。不安視された状態を上げ、オープン戦は打率1割6分1厘、2本塁打、6打点でフィニッシュ。開幕に向けて「もうちょっと練習があるので、1年間しっかり戦うためにしっかり準備していきたい」と力を込めた。

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