西武が31日、オリックスとの開幕戦(ベルーナドーム)でシーズンをスタートする。

オフには正捕手の森がオリックスへFA移籍した。松井稼頭央新監督(47)は一塁の山川穂高内野手(31)遊撃の源田壮亮内野手(30)二塁の外崎修汰内野手(30)以外の5ポジションをレギュラー白紙とし、新たに定めたチームスローガン「走魂」のもとで競争を促してきた。

WBCで負傷した源田は開幕ベンチには入らず、治療を最優先とする球団方針になった。当初の「5枠」は今、どうなったか。

松井監督に問うと「もちろん外国人もいますし」と切り出す。マーク・ペイトン外野手(31)デビッド・マキノン内野手(28)の新外国人コンビは本塁打を連発するタイプではないものの、シュアな打撃をオープン戦までで示した。

ともに日本の野球スタイルを吸収しようとする意欲が高く、ペイトンはキャンプインから全力で取り組んだ。2月上旬はいい当たりが少なかったマキノンも、オープン戦中盤以降は快音が一気に増えている。源田不在の打線となるため、1番ペイトン、2番マキノンの攻撃型布陣を敷く可能性は十分。ペイトンは中堅を、マキノンは三塁を守るケースが多い。

「走魂」にうってつけの若林楽人外野手(24)が2月下旬に脇腹痛で戦線離脱し、開幕には間に合わなかった。一方で、コンディション不良があった愛斗外野手(25)はオープン戦終盤に合流。「愛斗もね、入ってきたし」と指揮官も喜ぶ。

守備技術はチーム屈指で、右翼に入れば大きな存在になる。俊足と経験が光る金子侑司外野手(32)と、バットコントロールと粘りが売りの鈴木将平外野手(24)も開幕1軍入り。この3人で両翼を争う展開に、まずはなりそうだ。

森が抜けた扇の要には、まずは柘植世那捕手(25)が収まるケースが増えそうだ。開幕マスクも有力だ。古賀悠斗捕手(23)も時に大胆な配球を見せるなどアピールを続けており、この2人が軸になる。

源田不在の期間は、山村崇嘉内野手(20)とルーキーの児玉亮涼内野手(24)が遊撃を守る。山村は非凡な打撃センスが期待され、児玉は堅実さと落ち着きがある。若手たちが実戦で経験値を高め、チームの底上げにもつなげたい。

中村剛也内野手(39)と栗山巧外野手(39)の同期コンビも、しっかりと開幕に合わせ調子を上げてきた。ともに守備にも意欲を見せるものの、まずはDHでスタメンに入る機会が多くなるとみられる。

開幕マウンドに上がる高橋光成投手(26)や、先発転向しオープン戦無失点の平良海馬投手(23)ら投手陣は、23年もしっかりと安定。開幕後も競争が続いていく野手陣が、今季のカギを握る。【金子真仁】

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