日本ハム上沢直之投手(29)が4回に西武外崎修汰内野手(30)に対して頭部への死球を与えた。初球の117キロのカーブがすっぽ抜け、外崎はしゃがんでよけようとしたが、ヘルメットの後頭部付近に直撃した。

外崎はベンチ裏で治療後、プレーを続行。審判団は協議の上、危険球退場は宣告せず、上沢も続投した。

なぜ、頭部への死球で危険球退場とならなかったのか。パ・リーグのアグリーメント(申し合わせ事項)では、危険球について次のように定められている。

「投手の投球が打者の顔面、頭部、ヘルメット等に直接当たり、審判員がその投球を危険球と判断したとき、その投手は即退場となる」

危険球退場が宣告されるケースは、審判員が危険球と判断した場合のみ。さらに、アグリーメントには「危険球に関する運用ガイドライン」として次の2項目が明記されている。

<1>投手が打者を明らかに狙って投球したと審判員が判断したときには、打者に当たるか否かにかかわらず、投手と監督は即退場とする。

<2>ベンチから「当てろ」とか、それに類する発言があったあとに、打者に当たった場合はもちろん、たとえ当たらないまでも危険な投球をしたと審判員が判断したときには、投手とともに、誰が発言したかを問わず監督も退場とする。

今回のケースは、頭部に直撃した投球が抜けた変化球であることや、ガイドラインに抵触する部分もないことなどが、危険球退場としない判断材料になったとみられる。

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