DeNAが巨人に完封リレーで勝利し、番長政権下では初の首位タイに浮上した。

先発石田健大投手(30)が自己最長タイの8回を4安打無失点と好投。9回は守護神・山崎が締め、63年ぶりの巨人戦3試合連続完封勝利を達成した。打線はソト、宮崎の適時打で巨人戸郷を攻略。チームは今季2度目の4連勝で貯金を今季最多の3とし、19年4月1日以来の首位に立った。

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囲み取材を終え、バスに乗り込む直前、阪神がサヨナラ勝ちし、首位タイ浮上の知らせが届いた。1度はバスに乗り込んだ三浦監督は報道陣からの要望を受け、再びバスの扉の前で監督就任後初、19年4月1日以来の首位浮上への思いを冷静に話した。

「まだまだ、この時期ですからね。1つずつ積み重ねていくだけです。シーズンが終わった時にこの位置にいられるように頑張ります」

首位浮上とともに、歴史的な快挙も同時に達成した。先発石田が風も味方につけながら、真っすぐで押し込み、15年8月6日の中日戦以来となる自己最長タイの8回を4安打無失点、8奪三振と好投。9回は山崎が締め、巨人戦では63年ぶりとなる3試合連続完封勝利を飾った。

「生まれてないですねぇ(笑い)。バッテリーが、アナリストからの情報と感性をまぜて、攻めるところと引くところとうまくやってくれています」

石田を復活へと導いたのは、三浦監督の決断と助言だった。21年はリリーフで2軍落ちも経験したが、昨季は先発への再転向を決断。3月に30歳を迎える石田に対し、自身の経験も踏まえながら、ランニングの重要性や準備の仕方を伝授した。「体が動いてないのも感じてくれていて、どういう動かし方をしたらいいか、何が必要なのか、何回も相談に乗ってくれた」。

プロ初完封が目前だったが、9回は守護神山崎に託した。「よく投げてくれた。最後はヤスに」。無失点勝利は今季8勝のうち、半分の4。投手陣が安定し、2度目の4連勝で貯金を今季最多の3とした。「選手全員が、全力でやり続けてるからこその今日の勝利だと思います」と、いつものように選手をたたえた。【久保賢吾】

▼2位DeNAが巨人に勝ち、首位広島が阪神に敗れたため、DeNAが阪神と並んで首位に立った。DeNAの首位は21年に三浦監督が就任して以降初めてで、ラミレス監督時代の19年4月1日(開幕3試合目で2勝1敗)以来。開幕10試合以上を経過しての首位は18年4月23日(18試合11勝7敗)以来となった。現12球団ではDeNAが最も首位から遠ざかっていた。

○…宮崎が、自己最長タイの13試合連続安打をマークした。4回に左翼線への二塁打を放ち、1点リードの8回には追加点となる中前適時打を放った。「ストレートを素直に打ち返すことができた。ケンタ(石田)が頑張っていたので、援護することができてよかったです」。打点、本塁打とリーグ2冠、打率は2位とバットでチームをけん引する。

▽DeNA山崎(9回を無失点で締め、今季4セーブ目でチームも首位に浮上)「まだ始まったばかりですけど、今、こうなっているのはいいこと」

▽DeNAソト(4回に決勝の適時内野安打)「(好走塁の)『セキネ、アリガトウ!』。満塁の場面だったのでストライクゾーンで勝負してくると思い、積極的にいきました」

▽DeNA石田(自己最長タイの8回無失点で2勝目)「初回から速球が思ってる以上に走ってくれていたので、戸柱さんの構えたところに思いきって投げようと。ゾーンでしっかり勝負できたので良かった」

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