阪神岡田彰布監督(65)が打線のテコ入れを敢行するも実らず、2連敗に沈んだ。打撃絶不調の梅野を7番から2番で起用。中野を3番に置き、ノイジーを5番、佐藤輝を6番に入れる新オーダーで臨んだ一戦。しかし得点源の2番から5番までの上位打線が無安打と沈黙。甲子園での伝統の一戦初戦を白星で飾ることはできなかった。

20年9月17日の巨人戦以来、約3年ぶりに2番で出場した梅野が4タコに倒れた。初回1死から空振り三振、3回は2死一塁から遊ゴロに凡退。5回無死一、三塁では二ゴロ併殺打で追加点を挙げるも打点はつかず。1点を追う7回1死一、二塁の一打同点のチャンスでは空振り三振を喫し、打率はついに9分4厘まで落ち込んだ。梅野は試合後、悔しさをにじませながら報道陣の問いかけにも珍しく無言を貫いた。

梅野の2番起用について指揮官は「2番で打たそうと思ったんやんか」と説明。「ちょっと強引に行くからな。(1番が)近本やから(塁に出て)右に打つとか、バントとかもできるかと思ったけど、そういう機会がなかった」。7回の打席は戸郷から左腕の大江にスイッチしたばかりで「ちょうど左で来たからのう、あそこがちょっとポイントやったけどな」と嘆き「何番打たせても一緒やって。打順下げてもチャンスで回ってくるし。調子が悪いものに」と頭を抱えた。

5番に入ったノイジーも2併殺打など3試合連続無安打と振るわなかった。開幕序盤から3割台をキープしてきたが、下降線をたどる助っ人に指揮官は「今やったらノイジーが一番悪いかもわからんなあ。ちょっと内容悪いよな」と指摘。今後の打順変更については「そんなにコロコロ変えないからな、俺は。ノイジーも何番打とうがまず自分のいい時の感覚を取り戻さないとあかんよ」と奮起を促した。最大4つあった貯金はついに1つに。今季初の3連敗は阻止したい。【古財稜明】

▼阪神中野(今季初の3番起用)「ランナーがいない状況の中で大きいのというか、二塁打狙いにいったりというところはあった。あとはそこまで変えたつもりはないです」

■3試合連続打点

近本の3試合連続打点も、逆転勝利につながらなかった。5点を追う5回。佐藤輝の1号ソロから島田、木浪、渡辺諒と安打が続き、2-5の無死二、三塁で3点目の適時打。18日広島戦からの連続試合安打も7に伸ばした。「打線がつながって、いい流れで回ってきた打席でしたし、とにかく自分も後ろにつないでいく気持ちでした」と振り返った。だがこの回に追いつくことができず、終盤に巨人に突き放された。

■移籍後甲子園初H

渡辺諒が移籍後甲子園初ヒットを放った。佐藤輝のソロで1点を返してなお一、三塁。代打で打席に立つと、外角スライダーを左翼線に運ぶ適時二塁打を放った。続く近本も適時打を放ち、打線がつながった。代打での起用が続く渡辺諒だが「ほんとに1打席しかないので、結果を出すしかない。そういったなかでファーストストライクからいけたので良かった」と振り返った。

■悔やむ後逸

右翼手島田が痛恨の後逸を悔やんだ。2点ビハインドの3回。1死一塁から大城卓の飛球は右翼前に落ちるかという打球になった。果敢にもスライディングキャッチを試みた島田だが、打球はグラブの下をすり抜けて外野を転がった。一塁走者岡本和が生還する適時三塁打。エラーではなかったが「思っているよりもドライブで下に落ちてしまった。止めることは出来たと思う。西さんに申し訳ない」と振り返った。