社会人野球の北海道ガスが新体制で今シーズンに挑む。

4月から前東芝監督の工藤賢二氏(47)が新監督に就任。昨年は7月の都市対抗で全国初勝利も、9月の日本選手権北海道地区予選で3連敗と屈辱を味わった。創部6年目の今季、5月1日開幕のJABAベーブルース杯(岐阜・長良川球場ほか)で最初の公式戦を迎える。

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北海道ガスが新監督のもと新たなスタートを切る。4月に前東芝監督の工藤氏が新監督に就任。5月2日のJABAベーブルース杯予選リーグ、JR東海戦が初陣となる。現役時代、走攻守3拍子そろった内野手として、99年シドニー五輪アジア地区予選で日本代表の経験も持つ新監督は「常に勝ち続けられるようなチームというのを目指したい」と力を込めた。

チームは昨年7月の都市対抗で東芝に1-0で勝利し全国初勝利。記念の白星を挙げたが、9月の日本選手権北海道地区予選では3連敗を喫し、悔しさを残してシーズンを終えた。エース右腕の大城祐樹投手(26=桐蔭横浜大)は「チーム全員にとって大きな出来事だった。しっかりと生かしていけるように結果を出したい」と巻き返しを期す。

課題は打撃面にある。3連敗した日本選手権予選はわずか5得点に止まった。左の主軸打者寺田和史外野手(27=東北福祉大)は「本州の勝ち上がるチームに比べて、スイングスピードや強さが劣っていると感じていた。チーム全体として野手は振り込みを意識した」と冬場、徹底的にバットを振り込んだ。ティー打撃を中心に、多い時には1日計1000本以上振ることもあった。昨季は打撃コーチ不在だったが、今は社会人時代に首位打者獲得経験のある監督の指導も受けながら、日々打力向上を図っている。

新戦力2人も加入した。3月下旬には佐賀で10日間の春季キャンプを行い、西部ガスなどとオープン戦を行った。長打力が持ち味の2年目、佐藤槙平外野手(23=城西国際大)は練習試合で3本塁打を放つなど調子を上げており「自分たちのプレーができれば勝てる」と自信をのぞかせる。捕手の中林健吾主将(26=早大)は「チームとしての意識の高まりは去年までにないものだと思う」と意気込む。創部6年目、新監督と選手一丸で勝利を狙う。【山崎純一】

 

◆北海道ガス野球部 18年4月創部し、同年11月に札幌市内に室内練習場が完成した。19年5月に都市対抗道予選に初参戦し1次予選で敗退。21年6月の日本選手権道予選を制し創部4年目で初の全国大会に出場し、1回戦で東邦ガス(愛知)に1-2で惜敗。同9月には都市対抗道予選を制し本大会初出場。1回戦でセガサミー(東京)に1-10で敗れた。2年連続で出場した昨年7月の都市対抗1回戦で東芝に1-0で勝利し全国初勝利。今年4月に前東芝監督の工藤賢二氏が3代目監督に就任した。部員24人。