「村神様」対決に完勝! 阪神村上頌樹投手(24)が敵地ヤクルト戦で同姓の4番村上宗隆内野手(23)と初対決し、内角直球で果敢に詰まらせて3打数無安打に封じた。8回を7奪三振2安打無失点でプロ2勝目。開幕からの連続無失点を25回まで伸ばし、今季ロッテ佐々木朗がマークした20回を上回った。規定投球回にも到達し、防御率0・00で堂々のトップ。大卒3年目右腕の勢いが止まらない。

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神宮にどでかい村上コールが響いた。ヤクルト村上ではなく、阪神村上へのものだ。小雨が降る中のヒーローインタビュー。スタンドの左半分を埋め尽くした虎党の声援に「ほんとにすごかったです!」と満面の笑みだ。東洋大時代に慣れ親しんだ舞台で、3年目右腕が初々しく、スタンドにペコペコと頭を下げた。

村上が、村上の懐を突いた。2回先頭、ヤクルト村上とのプロ初対戦。3球全て直球を選び、最後は内角直球で二ゴロに仕留めた。4回も自己最速タイとなる内角150キロで遊ゴロ。7回はフォークで空振り三振に仕留めた。

カギとなった内角攻め。2軍生活が続いた昨季からすでに、同姓「村神様」対策として考えていた。「内を攻めれば、抑えられるシーンも見てきたので。投げ切ることが大事」。テレビ中継を見て「自分ならどうするか…」と妄想した日々が今、生きている。

8回1死一塁から7番長岡に今季79人目で初めて四球を与えたが、動じない。1死一、二塁から川端、山田の代打攻勢もなぎ払った。「攻めたピッチングができた」と胸を張った。

昨季まで未勝利の右腕が2連勝。コンプレックスもなくなりつつある。これまでは「『村上!』ってなった時は体がピャッと動く時もあるんです」。テレビや球場で「村上」の声が飛んでも、ヤクルト村上の場合が圧倒的多数。「それを覆せるように頑張りたい」と高みを目指してきた。

その村上を完璧に封じ、8回2安打無失点。開幕から25イニング連続無失点で、今季ロッテ佐々木朗がマークした「20回」を上回った。規定投球回にも到達し、防御率0・00でリーグトップも「そこまでこだわりはない」。数字は意識せず腕を振り続ける。

新星の快投でチームは3試合連続完封勝ち。3カードぶりの勝ち越しで4月の月間勝ち越しも決めた。岡田監督はヒーロー村上に「すごいなあ。いやあ、打てそうにないなあと見てるよ、ほんま」と感服しきりだ。今季のブレークを「想像はそこまでしてなかったです」と驚く右腕。ミスターゼロとしての快進撃は、まだまだ続く。【中野椋】

▼村上が8回を無失点に抑えてプロ2勝目。これで村上は今季初登板の4月1日DeNA戦から25イニング連続無失点。月間25イニング以上投げて失点0は82年4月の金沢(大洋=26回)以来となり、2リーグ制後5人目だ。開幕からの連続イニング無失点記録は1リーグ時代の39年高橋(阪急)の38回1/3で、2リーグ制後は21年平良(西武)の38回だが、セ・リーグ記録は63年中井(阪神)の31回。村上が次回の登板でセ・リーグ記録に挑戦する。

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