<巨人4-3広島>◇29日◇東京ドーム

メガゴジラが東京ドームに襲来した。巨人秋広優人内野手(20)が、7回にプロ1号弾で勝利の望みをつないだ。

松井秀喜氏の背番号55を受け継ぎ、身長2メートルから繰り出した1発は、元巨人のジャイアント馬場も成し遂げられなかった日本人最長身アーチ。師匠である中田翔内野手(34)の劇的サヨナラ弾とのアベック弾で、チームは2連勝を収めた。順位は4位に浮上し、巨人の反撃ウイークが始まった。

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秋広には原監督からもらった宝物がある。1年目の21年、オープン戦で1軍に抜てきされた秋広は、ユニホームの胸元から短いネックレスがはみ出して揺れていた。煩わしそうにする姿を見逃さなかった原監督から「ちょっと来なさい」。大阪のホテルで呼ばれた。44歳年上の指揮官が身につけていた、プラチナのネックレスを手渡され言われた。「1億円を稼げるようになるまで、持っておきなさい」。熱く、そして温かい期待を、高級感あふれるネックレスから感じた。

秋広は「びっくりしましたけど、とてもうれしかった。一生大事にします」。もらったときはあまりのうれしさに、お風呂でもベッドでも肌身離さなかった。今季の推定年俸は630万円。1億円プレーヤーへの険しく、輝かしい道のりが始まった思い出のネックレスは、今も寮の自室で大事に飾られている。【巨人担当=小早川宗一郎】