阪神近本光司外野手(28)が3安打2打点の固め打ちで、またしても同じ淡路島出身の後輩の勝利をアシストした。村上が先発した3試合全てで打点を記録し、通算で14打数7安打の打率5割。2度の決勝打を含む4打点を挙げるなど、快投を連発する右腕をバットでもり立て続けている。

1点リードの5回2死一、二塁から小川の内角直球をコンパクトなスイングで捉え、右前へ。「(佐藤)テルの1点(ソロ)で終わらずに、みんなでつないで2点目を取ることができてよかった」。さらに7回2死三塁からは2番手木沢の変化球を捉え、「イメージ通り」と左中間への適時二塁打でリードを拡大した。9回先頭では中前打を放ち、今季3度目の猛打賞を記録。ダメ押しの6点目のホームを踏んだ。

近本は去年の春季キャンプで村上にさりげなく自信をつけさせていた。シート打撃で対戦し、右腕の持ち味である真っスラを投じた。村上は先輩に「ボールどうですか?」と尋ねると、「真っスラはマジで嫌や」と伝えられたといい、「あの人は覚えてるかわからないですけど」と苦笑い。球界を代表するバットマンも苦手とする“魔球”で、旋風を巻き起こしている。

打率はセ・リーグ3位の3割4分9厘まで上昇。30安打、14打点といずれもチームトップの数字を残している。この日もタイムリー2本と絶好調のリードオフマンに、岡田監督は「いやいや、大きい大きい。近本がずっとチャンスでええバッティングしとるから、村上も下手にバントで前に転がしてゲッツーになるよりかは三振の方がええ。7番出たら8番でバントで、近本勝負でええわけやからな、結局は」とニンマリだ。

背番号5が例年にないロケットスタートをみせ、チームを活性化させている。【古財稜明】

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