広島が勝率を5割に戻した。九里亜蓮投手が中日打線を散発4安打に封じ、20年9月28日DeNA戦(マツダスタジアム)以来自身3度目の完封勝利。チームは今季初めて水曜日に勝利を挙げ、ビジター3連戦で初めて勝ち越した。

「最後までゼロでいけたのはよかったなと思います。でも出さなくてもいいところで四球を出したり、先頭打者を出してしまった回も多い」。冷静に反省点を見極めながら、九里は3年ぶりの快挙を振り返った。バンテリンドームで今季17回無失点。相性の良さも「気にしていないです」と意に介さなかった。

こだわったのは新井監督への“約束”。「8回が終わった時点で『どうする』って聞かれて『行かせてください』って言って行かせてもらったので、絶対ゼロで帰ってくると9回のマウンドに上りました」。2番から始まる相手打線を完璧に抑えた。「本当にナイスピッチングだったと思う。タフで頼りになる投手ですね」と、新井監督もチーム初完封右腕に目を細めた。プロ10年目を前にオフに3年ぶりの米国トレを行い、体の使い方などさまざまな知識、情報を吸収。挑戦の成果を完封での今季2勝目で証明した。【堀まどか】

▽広島野間(6回の適時打で2試合連続打点)「少しずつボールの見え方も良くなってきている。目の前の1打席、1試合を大事にして、チームが勝てるプレーをしたいです」