阪神史上3人目の快挙だ。先発の大竹耕太郎投手(27)が6回4安打1失点で無傷の「開幕5戦5勝」とした。

3回2死二塁からDeNAソトの右前ポテン適時打で先制点を献上。さらに味方の失策が絡んで2死二、三塁のピンチを背負ったが、牧を左飛に仕留めてしのいだ。その後も集中力は途切れず、2本の併殺打を打たせた。

降板後には「雨の影響でマウンド状態も悪くなる中、どんな状況でも自分のパフォーマンスを出したいと思って投げていました。ヒットかなと思った打球などもアウトにしてもらいましたし、ランナーを出しても低めに集めることでゲッツーを取ることもできたところもよかったかなと思います。すぐに逆転してくれた打線にも感謝です」とコメントした。

大竹は打撃ではようやく「三振地獄」から抜け出した。3回無死一塁の第1打席で四球。今季は4月8日ヤクルト戦から全10打席で三振だった。その後、4回無死一塁の第2打席ではプロ6年目で初の犠打も決めた。

雨雲が上空に広がった甲子園。チームでは青柳にも負けない? 雨男は、SNSで「大雨さん」「大雨降太郎」などと異名をつけられているが、雨脚はなんとか持ちこたえ、見事な投球を見せた。

ソフトバンクから現役ドラフトで移籍し、試合前まで4試合で4勝。阪神では21年ガンケルが開幕5連勝しているが、同投手は5試合目が勝敗なし。過去に阪神で開幕から5戦5勝は37年秋の御園生と04年福原の2人だけ。背番号49が球団の歴史に名前を刻んだ。

また、ソフトバンク時代の大竹は交流戦に3試合登板して3勝。「対セ8戦8勝」と驚異の数字をたたき出した。防御率は規定投球回数に2回1/3不足しているが、0・59と抜群の数字を残している。【三宅ひとみ】

▼ソフトバンクから移籍した大竹が今季初登板の4月8日ヤクルト戦から5戦5勝。阪神で開幕から5戦5勝は、37年秋に6戦6勝の御園生、04年に5戦5勝の福原に次いで3人目。大竹のように移籍1年目の投手が開幕から5戦5勝は、巨人→西鉄の71年高橋明が5戦5勝、ヤクルト→巨人の09年ゴンザレスが6戦6勝、中日→ソフトバンクの14年中田が5戦5勝したのに次いで4人目だ。これで大竹はソフトバンク時代からセ・リーグのチームには8試合登板して8勝(ヤ3勝、広2勝、中1勝、神1勝、D1勝)。セ・リーグ相手にオール白星の大竹が、次回の登板で球団記録の6戦6勝に挑戦する。