楽天滝中瞭太投手(28)が残り2アウトで、球団史上初となるノーヒットノーランを逃した。

8回まで許した走者は四球による2人だけ。4-0で記録がかかった9回を迎えた。西武先頭の代打栗山に3つめの四球を与えるも、次の長谷川は二ゴロ。1死一塁とした。だが、続く代打平沼に対し、カウント1-1からの3球目、この試合123球目のフォークを右前に運ばれ、初安打。ノーヒットノーランはならなかった。

「完全に落ち切らんかったですね」と悔しさをにじませた。ここでお役御免。内が後続を断ち、チームは勝利。滝中は今季2勝目を挙げた。

最速は140キロ台前半ながら、カットボールでバットの芯をずらし、打たせて取った。90キロ台のスローカーブ、フォークも効果的だった。

敵地のお立ち台に立つと「疲れました。キャンプから田中さんにフォークを教えてもらって、ずっと試してきたんですけど、今日、フォークが良かったかなと思います。ヤス(安田が)一生懸命、引っ張ってくれたんで投げやすかったです。(記録の意識は)ずっとありました。こんな機会ないんで、やれるときにやりたいなと思ってました。僕っぽいなと。1勝でも多く挙げていきたいと思います。母の日なんですけど、今日おじいちゃん誕生日なんで。おじいちゃん、おめでとう。お母さん、ありがとう。母方の祖父なんで、これも母の日ということで、良かったです」と喜びを語った。

◆滝中瞭太(たきなか・りょうた)1994年(平6)12月20日、滋賀県生まれ。高島高では2年秋からエース。龍谷大では関西6大学リーグ通算16勝。ホンダ鈴鹿に進み、日本選手権に2度、都市対抗に3度出場。19年ドラフト6位で楽天入団。21年には10勝をマークした。180センチ、93キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸2600万円。

▼滝中が9回1死から代打平沼に初安打を許した。9回以降の初安打でノーヒットノーランを逃したのは22年7月20日の椋木(オリックス)以来。楽天では19年7月19日ソフトバンク戦の美馬、20年8月5日同戦の涌井に次いで3人目。美馬は9回無死から代打栗原に、涌井は9回1死から代打川島に安打を打たれて快挙を逃している。

【関連記事】楽天ニュース一覧