阪神岡田彰布監督(65)は試合後、自ら話を遮った。

「いや、もうええわ。青柳の話は。分かるやんか、そんなもん」

今季ワースト7失点を喫した青柳の2軍降格を暗に示唆。その瞬間、会見場は一気に静まりかえった。

「ずっとやんか。なあ。何回も同じ事をなあ。そらボール自体もあかんのやろ。5点も取られるんやから。再調整って、普通に考えたらそうやんか」

エースはまたも初回につかまった。打者11人の猛攻を食らい、広島に一挙5点を奪われた。時には登板間隔を空ける配慮も施し、我慢して先発マウンドを託してきた。にもかかわらず、4試合連続で初回に失点。今季24失点のうち11失点が初回という内容に、自然と口調は厳しくなった。

「ずっと先発投手が5回以上投げて勝ち星ついてる流れをな。5回もあんなん投手に打たれへんかったら勝ち投手なんやで。2死から死球やろ?」

2回から立ち直ったかに見えたが、5回2死から死球、二塁打で二、三塁とされた。ベンチは8番韮沢の申告敬遠を選んだが、9番の投手玉村にまさかの右前2点打を浴びた。「ならんで良かった、勝ち投手に」。エースで8連勝を逃し、嘆くしかなかった。

広島は「青柳対策」で左打者9人を並べてきた。プロ通算で右打者は1割9分1厘に抑えているが、左打者には2割7分と分が悪い。今季はさらに3割2厘と左に打ち込まれている。青柳は「左9人は珍しいですけど、よくあることなんで。実力不足かなと思います。ボール自体は悪くないと思ってますし、逆になんで取られたか、なんで抑えたのか分からない」と厳しい表情だ。

救援陣も踏ん張れず、今季初の2桁失点。岡田監督は「よう追いついた方やないか。普通は勝たなあかんゲームやけどな」と悔しがった。

首位を走っているが、まだ38試合。昨季セ界3冠投手の早期復調が待たれる。【石橋隆雄】