9回を任された阪神岩崎優投手(31)が1イニングを10球でピシャリと抑え、サヨナラ勝ちを呼び込んだ。その裏、森下が試合を決めるとクールな男が珍しく顔を上気させ、興奮を隠さなかった。森下と並んだお立ち台では、7回0封の大竹に向け「僕の勝ちをあげます」と笑顔で申し出た。

0-0で任された3番手。「昨日落としていたので」と心は熱く、頭は冷静だった。先頭マクブルームをチェンジアップでタイミングを外して中飛に斬ると、西川は高めのスライダーで泳がせて三邪飛。堂林は外角のチェンジアップで芯を外した右飛に仕留めた。「結果が0でよかったです」。1発のある打者が並ぶ4番からの攻撃で、細心の注意を払った3人斬り。劇的勝利へのムードを高めた。

転がり込んだ今季2勝目は通算30勝の節目だった。13年ドラフト6位で国士舘大から入団。最初は先発だったが3年目の16年終盤、金本監督にリリーフ適性を見いだされて転向。勝利の方程式に欠かせない存在となり、今季は離脱した湯浅の代役守護神を務めて首位快走を引っ張っている。「先発に勝ちがつくのが一番ですが、ブルペンで勝ちを拾うのも大事なので」。防御率は驚異の0・69。先発の大竹、村上に負けない安定感で、必勝リレーを完結させている。【松井清員】

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