阪神大山悠輔内野手が9回2死からサヨナラ劇をお膳立てした。

3打席抑えられていた広島森下の外角149キロ直球をとらえ、右中間を破る二塁打。「まずは塁に出ないことには点も入らない。野球はツーアウトからというところもあるので」とチャンスメーク。続く佐藤輝の申告四球で、2死一、二塁。森下が初球を左前に運ぶと、「あとはもう全力で走るだけだった」と全力で本塁を駆け抜けた。

三塁コーチャーとして本塁突入を指示した藤本内野守備走塁コーチも「悠輔のスタートがよかったというのが一番。こっちも回す根拠ができた。いいスタートを切ってくれたから思い切って回せました」。打球は速かったが、大山の好スタートと左翼西川の捕球体勢を見て「GO」サインを出した。

大山はチームトップの25打点を挙げる得点源だが、5月3日の木浪のサヨナラ安打で勝利した中日戦でも、先頭で二塁打を放ち、突破口を開いた。この日も陰のヒーローとなった4番は「すごくチームとして大きな1勝なんじゃないかなと思う」と笑顔で話した。【石橋隆雄】