中日が石川昂弥内野手(21)の一振りで、DeNAから今季初勝利を奪った。

4回、ガゼルマンの初球144キロツーシームを左翼席にたたき込んだ。先制の5号ソロは、天敵から今季6戦目にして初めて勝利をつかむ値千金の一発。「前の打席でツーシームが来てたので来るのかなと思っていました。手応えはよかったです」と会心の狙い撃ちに笑みを浮かべた。

悪夢のようなケガから、ちょうど1年を前にした一撃でもあった。昨年5月27日に左膝を負傷。前十字靱帯(じんたい)再建術に至る長期離脱となった。昨季、離脱するまで37試合で放った自己最多5本塁打に復帰34戦目で並んだ。長期にわたるリハビリを強いられたが「この期間は無駄ではなかった。自分のスイングを見つめなおして考えてやってきた。それがいい方向に出てると思う」とかみしめるように話した。

昨季は6勝18敗1分け。今季も開幕から5連敗とDeNAには苦杯をなめ続けた。この試合も落とすと球団では59年ぶりとなる開幕からの同一カード6連敗。屈辱を免れる一発ともなった。4番の一撃で、19日ぶりの連勝を今季初めての完封勝ちで飾った。最下位にあえぐ中日だが、若い芽は成長中だ。【安藤宏樹】

▽中日小笠原(7回3安打無失点で4勝目)「冷静に自分の仕事をまっとうしようと投げていました。久しぶりに自分の仕事ができました」