城西大の最速148キロ右腕エース、中川響投手(4年=岡山学芸館)の粘りが1部復帰をたぐり寄せた。

2部優勝の城西大は、2勝1敗で16年秋以来13季ぶりの1部復帰を決めた。

中1日での先発マウンド。第1戦は6回0/3を被安打8の1失点と、不本意な内容だった。第2戦は、後輩の投手陣が勝利し、1勝1敗で迎えた第3戦。「絶対にやってやる。自分たちが勝てばいい」と気合を入れ直した。

毎回走者を背負う苦しい投球。2回には、先頭の武蔵大の4番、松本京太郎外野手(3年=仙台育英)に先制ソロを許した。2試合目の対戦となり、相手が直球を狙ってきていると分析。スライダーやツーシームで打たせて取った。7回を被安打4の5三振、9四死球と苦しみながら、ピンチで踏ん張って1失点。「リーグ戦を含めても、初めてくらい悔しい、納得のいっていない内容です」と振り返った。

秋は、初めて1部の舞台で戦う。「1部は経験していないので、プレッシャーは感じません」と笑顔で明かす。目標は「スタミナをつけて、完投できる投手になりたいです」と掲げた。

1年生の頃はコロナ禍のため、チームに合流したのが9月。秋季リーグも終わった後で、公式戦は見ることもできないまま1年が終わった代だ。最上級生となり、自分たちの手で歴史を切り開いた4年生たち。村上文敏監督(60)は「ドラマが1つでも欠けていたら、今日はなかった。自分たちで勝ち取った1部。甘くはないと思うが、持っている力を出したい」と意気込んだ。