ロッテ西村天裕投手(30)が開幕から19試合連続無失点で、10年の小林宏、12年の南昌輝の18試合を上回り、球団記録を更新した。

8回から5番手で登板し、2イニングを1安打無失点。和歌山商の先輩でもある南らの記録を超えたが、「まだ僕なんて、まだまだですし、しっかりと自分の投球が出来るように、毎日、任されたところを抑えるだけですね」と気を引き締め直した。

8回先頭の吉川尚を二ゴロに打ち取ると、続く門脇の当たりは一、二塁間を抜けるかと思われたが、二塁を守る中村奨の好守で二ゴロに。丸も二ゴロに封じ、3者凡退に抑えた。9回は坂本に四球を与えると、重信には自身の脇を抜けるバント内野安打で無死一、二塁。「こけましたけれど、なんとか…。緊張しました」。4番岡本和を右飛。中田翔を投ゴロ併殺でピンチを脱した。

日本ハムから移籍した今季、「メンタルと呼吸が僕に足りないなと思っていて」と新たなテーマを掲げ、帝京大同級生の専門家に助言を受けてきた。「一定の呼吸で、自分のフロー状態を思い浮かべて、マウンドでつくる感じです」。ブルペンや、試合のマウンドに立った時の意識と呼吸法が、好調の要因だと分析している。「マウンドで呼吸を乱さないこと。呼吸プラス、考え方も変わったと思います。今までは三振にこだわっていたのを、1球で終わろうと。簡単にアウトが取れれば一番良いので、そういうアウトの取り方のこだわりを変えたということが」。今季初登板以降、験担ぎで剃っていないあごヒゲも無失点も、まだまだ伸ばすつもりだ。

吉井理人監督(58)も日本ハムのコーチ時代からの教え子を、愛着を込めた冗談交じりでたたえた。「追い込んで真ん中にフォークを投げるのは得意なんですけれど、それが出ていないのは良い方向にいっていると思います。意識の問題で」。決め球が甘く入ってしまう課題を克服しつつある右腕のリリーフとしての役割に「え~っと、オールマイティーですね」と最高級の信頼を置いている。【鎌田直秀】