阪神大竹耕太郎投手(27)が7回途中2失点で防御率0・71とし、両リーグトップに再浮上した。「日本生命セ・パ交流戦」のロッテ戦に先発。過去1勝4敗だった苦手相手に奮闘し、クオリティースタート(6回以上自責3以内)でしっかり役割を果たした。9回に湯浅が打たれて無傷の7勝はお預けとなったが、現役ドラフトで新加入した左腕の快投はまだまだ続く。

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7勝目が消えた瞬間、阪神大竹は、ベンチからぼうぜんとグラウンドを見つめた。

阪神先発の大竹がこの日も躍動した。「全体的には走者を出しても落ち着いて、リズムよく投げることができました」。6回1/3を8安打2失点で先発の仕事を果たした。

現役ドラフトで加入後、初のパ・リーグとの対決となった。ロッテはホークス時代8試合、1勝後4連敗中、防御率4・33と苦手な相手だった。だが、もう昔の大竹ではない。「何度も対戦のある中で、自分の投球スタイルを知られている中でもチェンジアップをうまく使うことができました」。新相棒坂本のリードもあり、23年型の大竹の投球スタイルで相手打線を翻弄(ほんろう)した。

4回1死満塁のピンチでは右の7番山口に1ストライクから外角チェンジアップで空振りを奪うと、高め直球で空振り三振。続く左の佐藤都にも2-2からチェンジアップでファウルを打たせ、最後は内角への142キロ直球でバットを折り、中飛に斬った。

3点リードの7回1死一塁で、現役ドラフト対決となった代打大下に1号2ランを浴びマウンドを降りた。「あのような形でバトンを渡して申し訳なかった」と反省は忘れなかった。今季8戦目で初めて1発を食らったが、防御率は驚異の0・71。規定投球回をクリアし、ただひとりの0点台でトップに躍り出た。

昨年6月27日、先発予定だった和田がコロナ陽性判定を受け、ロッテ戦に代役先発した。舞台は東京ドームでの鷹の祭典。親会社の関係者やファンで満員となった中でこの年初登板したが、7安打4失点で4回でKO。チャンスを生かせなかった。「調子がいい時にはなかなか上がれなかった」と話すように、ソフトバンクでの厳しい立場を実感するマウンドになった。

苦い教訓を胸に、この日はリーグの勝ち頭として、堂々と苦手打線に立ち向かった。今の大竹なら、パ・リーグ球団とも、十分に渡り合える。【石橋隆雄】

【動画】阪神大竹耕太郎が満塁のピンチを緩急使った投球で見事に抑える!最後はガッツポーズ

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