3大会連続出場の富士大(北東北)が終盤の逆転で初戦突破した。

0-2で迎えた7回1死一、二塁。渡辺陸外野手(1年=花巻東)は「ヒットよりはつないでいこう、と。真ん中を待って、対応しようと思いました」と、内角直球を振り抜くと打球は右中間を真っ二つに割る適時三塁打。二者生還し、同点に追いつき、三塁ベース上で、何度もガッツポーズを見せた。「無意識でガッツポーズが出た感じです」と、笑顔を見せた。

1年生の活躍にチームメートも奮起した。なおも1死三塁から麦谷祐介外野手(3年=大崎中央)が、勝ち越しの中越え適時三塁打で、この回、一気に逆転に成功。8回には、1死一塁から山沢太陽内野手(3年=啓新)が左越え2ラン本塁打と続いた。

渡辺は花巻東では2番打者として3年春のセンバツ出場。つなぐ意識と出塁を意識し、1学年後輩の高校通算134本を誇るスラッガー、佐々木麟太郎内野手(3年)につないだ。「麟太郎は高校の時からズバ抜けているので。自分が言える立場じゃないけど、後輩の活躍を見ると、もっと頑張ろうと思う。いい刺激をもらえるので、頑張っていきたいと思います」と、謙虚に笑った。

高校3年春が終わってからは、高校の大先輩・エンゼルス大谷翔平の打撃フォームを動画で何度も見返し研究。上半身と下半身の使い方を学び長打力を身に付けた。「自分の結果よりもチームが勝てば良い。四死球をもらったりいいところで打ちたいです」。粘り強さ、ガッツあふれるプレーと、母校の伝統を引き継ぎ、大学でもひときわ輝く光を放つ。

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