西濃運輸(大垣市)が逆転勝ちで3年連続40度目の本大会出場を決めた。

何度も走者を出しながら得点できず、1-2のまま終盤に入った。ピンチをしのいだ直後の8回、原田大輔外野手(28=福岡大)の中越え三塁打で同点。さらに丹下大輝外野手(24=中部大)のスクイズが決まり、決勝点を奪った。

佐伯尚治監督(39)は「ほっとしました。やっと寝られます」と喜びに浸った。巨人船迫大雅投手(26)楽天林優樹投手(21)と2人がプロ入りした投手陣は大会前に見通しが立たなかった。「経験のない投手ばかりで苦労したが誰かが出てきてくれると期待していた」と佐伯監督は苦笑い。

JR東海戦の5点差逆転勝ちや連続の延長サヨナラ負けなど、激戦に次ぐ激戦。この日も象徴するような大熱戦になった。勝ち越しの場面は監督就任以来こだわってきたセーフティースクイズのサイン。毎日、ボールケース5箱ものバント練習を積んでいた丹下を信じた。

主将の野崎大地内野手(28=久留米工大)も感激していた。昨年は左手首の骨折で予選から本大会まですべて欠場した。都市対抗でベスト8入りした翌年入社の6年目。殊勲打の原田も同期だ。「原田とはいい時も悪い時も過ごしてきたので打ってくれてうれしかった。全てが報われました。僕や原田が入社してから東京ドームで爪痕を残せていない。精いっぱい戦ってきたいです」と意気込んだ。【柏原誠】