進化のバウアー撃ち!高卒2年目の阪神前川右京外野手(20)が反撃ののろしとなる適時右前打を放った。3点ビハインドの5回。2死一、二塁の場面でDeNAバウアーの浮いたチェンジアップを引っ張り右前打。一塁上でガッツポーズを決めた。

「試合前から楽しみで、打てたら自信になるし、打てなかったら『もっとやらないといけない』と思っていた。少しゾーンを上げて、打つべき球を一発で仕留められたので良かった」

続く大山も適時中前打を放ち、チームも徐々にリズムを作った。第1打席は内角低めのスライダーにバットが空を切ったが、修正。3回の2打席目は死球だったが、5回の3打席目にクリーンヒット。7回には四球を選び3出塁だった。

背番号58は練習から常に全力で臨んでいる。水口打撃コーチもその姿を22年の高知・安芸での秋季キャンプから感じていた。「熱心に練習する姿勢の良さがこの結果につながっている。練習で打つ時、全部全力で振って打っているんです。抜くところがない。なかなか、全部のボールに対して考えながら、打つことはできない」と非凡な集中力が成長材料だと言う。100%練習からを出し切る理由に本人は「1軍で結果を残さないといけないからです」ときっぱり。サイ・ヤング賞右腕から打てた結果は、日頃からの積み重ねが結果に反映している証しだった。

この試合は「3番右翼」が20歳前川、「6番左翼」が22歳森下と次世代を担う両翼が初めて同時にスタメン出場した。最終打者となった前川は「自分の経験値になったかなと思うので、生かしていきたい。新たに結果を求めていきたいと思います」とさらなる成長を誓った。今季4度目となる3番起用だが、全試合でヒットを記録。勝負強い若虎が屈辱の試合でも光った。【三宅ひとみ】

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