阪神西純矢投手(21)が、投打二刀流の大活躍で2カ月ぶりの3勝目をもぎ取った。

投げては9安打を浴びるなど4度ピンチを背負ったが、最速153キロの直球を軸に7回1失点。打っては3点リードの2回1死二塁から中前に中押しの今季初タイムリー。大車輪で連敗ストップに貢献した。

「中継ぎも経験したりして、ようやくここに戻って来れたかなと。(歓声は)最高に気持ちいいです」

師匠の復活星に背中を押された。今オフに初めて合同自主トレを実施したツインズ前田健太が右肘のトミー・ジョン手術から復活し、6月23日(日本時間24日)のタイガース戦で678日ぶりの勝利投手になった。「全部見てました。手術して大変だった話も聞かせてもらっていたので、うれしかったです」。5回途中に志願の続投でつかんだ1勝で「マエケンさんらしい熱い投球をされていた」。

熟練の投球術に感じる部分も多かった。序盤は変化球中心に空振りを奪い、中盤以降は真っすぐで押し込む組み立てだった。「球速以上に打者が速く感じているから、見逃しが取れる。スピードだけじゃないところを再確認できました。僕もストライク先行で入っていきたい」。先発再転向後の6月30日巨人戦、今月9日のヤクルト戦、そしてこの日もゾーンにボールを集めてゲームメーク。3戦21回2失点と状態を上げ、憧れの先輩と同じ熱い投球で勝利をたぐり寄せた。

「前半でチームにすごい迷惑かけてしまった。ここから巻き返していけるように頑張ります」。2軍再調整、中継ぎ転向を経て、背番号15が強さを増して帰ってきた。【古財稜明】

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