後半戦も勢いは止まらない。新井貴浩監督(46)の采配がハマり、広島が後半戦を白星発進。今季2度目の6連勝で貯金を今季最多2桁10とし、首位阪神にゲーム差なしに迫った。

指揮官の起用に選手が応えた。1点を追う2回。離脱中の西川に代わり左翼に就いた大盛が2死二、三塁から直球を左前に転がし、今季初打点となる適時打で試合の流れを変えた。同点の7回は、代打を送らずに打席に立たせた先頭森下が左翼線の二塁打でチャンスメーク。野間の左前打で決勝のホームを踏んだ。

10本の単打を集めた打線の4番は、プロ通算3本塁打の小兵上本だった。1打席目にバントの構えで揺さぶるなど、いつもと変わらぬアプローチ。6回に中前打から三盗を成功させ、7回は左前打で追加点をお膳立てした。今季は3番と9番を除く打順で起用され、代打成功率4割2分9厘を残す。新井監督は「チャンスメークもできるし、つなげることもできるし、勝負強さもある。いろんなポジションを守って、いろんな打順もこなせる。本当にオンリーワンの選手だと思います」と限られた戦力の中で貴重なカードと認める。

選手だけでなく、2人の投手コーチはベンチ担当とブルペン担当を入れ替え、一、三塁のベースコーチも入れ替えた。「動かすのは勇気のいることだと思うけど、もっともっと良くなると思っている。まだまだ良くなる、強くなると思っている」と指揮官。6連勝中5勝が2点差以内と接戦に強い。勢いとともに地力をつけて、4月17日以来の首位浮上を狙う。【前原淳】

○…森下が投打で勝利に貢献した。立ち上がりはやや変化球の制球に苦しむも、直球を中心に組み立てて8回まで6安打3失点(自責2)にまとめた。打っては同点の7回に中日勝野のフォークを拾って二塁打とし、野間の決勝打を呼び込んだ。6連勝にも「監督も優勝しか目指してないと言っていったので、なんとかそういった試合ができたら」と表情を引き締めた。

 

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