DeNAのエース今永昇太投手(29)が、チームの勝利に集中する。1日の広島戦(マツダスタジアム)で今季8勝目を懸けて先発予定。7月31日はマツダスタジアムで投手練習を行い、キャッチボールなどで汗を流した。現在8試合連続ハイクオリティースタート(HQS=先発7回以上、自責点2以下)を継続中だが、個人記録よりもチームの勝利を優先させる考えを示した。

今永は継続中のHQSについて、13年に24連勝した田中将大投手(楽天)が16試合連続をマークしていることを自ら調べたという。「半端ないなと。確か田中さんは28試合登板で全部QS(クオリティースタート=先発6回以上、自責点3以下)していた。当たり前に。やばくないですか(笑い)」と驚きを隠せなかった。

だが、求めるものはHQSではないと明言した。「一番大事なのは明日そういうピッチングをします、ではない。できなくても命まで取られるわけじゃない。最後にチームが勝ってればなんの問題もない。特に意識はない」と言い切った。

今季は13試合に登板し、個人的には7勝1敗で勝率8割7分5厘と12球団トップを走る。だが、登板した試合でチームは13試合で7勝5敗1分けとなっている。

「勝てば何でもいいですし。僕も自分の好投ではなくて、今永が投げた試合がどうだったか、というのがファンの方が一番覚えていると思う。いい投球したけどチームは負けたんだよね、とは言わないと思う。今永が投げた試合で負けた、だと思う。僕が投げた試合で結果がどうであれ。勝ったという事実を持って来たい」

チームが最終的に勝てば、内容は度外視する覚悟さえできている。

4・5ゲーム差をつけられている2位広島、5・5ゲーム差の首位阪神との連戦が始まる。6連戦の初戦。「投げる哲学者」の異名をとる左腕が、なりふり構わず勝ちに行く。【斎藤直樹】

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