日本ハムが起死回生の「まんまる連弾」で劇的な勝利を挙げた。1点を追う9回に4番万波中正外野手(23)が19試合ぶりとなる同点16号ソロ。土壇場で追いつき、続く5番アリエル・マルティネス捕手(27)が決勝13号ソロを放った。打線の中軸に固定されている「まんまる」コンビのドラマチックな2者連続本塁打でチームは連敗ストップ。大逆襲を期す8月初戦を白星でスタートさせた。

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こんな劇的な勝ち方は、なかなかない。新庄監督も大興奮していた。「野球ってこれがあるから、たまらんっすね」。1点を追う9回に飛び出した、打線の中軸で固定起用する「まんまる」のドラマチックな連続ソロ。今季は犠打などのサインを遂行した選手にはハイタッチを求めるが、本塁打や適時打が出てもリアクションをしない指揮官も「いや、びっくりしてね」と思わずガッツポーズした。

険しいと思われた勝利への道をこじ開けたのは、4番万波だ。9回先頭、3打数無安打で迎えた第4打席は「前の3打席を忘れて…じゃないですけど、すごいフレッシュな気持ちで」臨み、ロッテ益田の直球を捉えた。ライナーで右中間へ突き刺した19試合ぶりのアーチに「勝てたんで、いろんな意味でホッとしています」とほほ笑んだ。

勝利をたぐり寄せたのは5番マルティネスだ。「ワァ、スゴイ」と万波の驚異的な打球にびっくりしたが、打席へ向かうと同様に右中間へ決勝ソロ。試合後も興奮気味で「(今の気持ちは)ワタシハ…ワカンナイ」と少し話せる日本語もすぐに出てこなかったが、笑顔で「ムッチャ、ゲンキ!」。ゲンキの源は「もう3日間、チャーハンを食べているので、それで力をもらいました」。もちろん、この日の試合後も「チャーハンを食べます」とすぐにゲンキをチャージした。

後半戦から上位打線を固めた新庄監督にとっても「固定し始めたメンバーが、こういう接戦をモノにできた。必ず、これからも(同様の勝利が)あるってこと」と手応えたっぷりの勝利だ。これで1点差試合は11勝27敗。接戦を落とす悔しい試合を多く積み重ねた中で「今日は(悔しかった結果を)逆にしていった第1歩。逆転できるチームになっていけば、すごい面白いファイターズになる」。土壇場で飛び出した「まんまる連弾」で、そう確信できた8月初戦だった。【木下大輔】

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