巨人に“勝利の申し子”が降臨した。岡本和真内野手(27)が25号先制ソロ&26号決勝ソロで自身初の2戦連続マルチ本塁打。主砲が今季リーグトップ13度目の勝利打点を挙げた。マウンドでは戸郷翔征投手(23)が5安打1失点、10奪三振、今季両リーグ最多149球の力投で完投勝利。エースがリーグ最速で2年連続の10勝に到達した。チームは2カード連続の勝ち越しで、3位DeNAにゲーム差なし、勝率で3毛差と肉薄した。

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戸郷が志願の完投で、セ界一番乗りの10勝目をつかみ取った。1点リードの9回無死一、二塁で迎えた5番サンタナを、外角攻めで3球三振。2死二、三塁として打者宮本に対し、この試合最後の1球となる149球目は150キロの直球で、左飛に仕留めた。今季3度目の完投で、昨季に続く2桁勝利を挙げ「2年連続できたところに自分を褒めて、もっともっと上を目指せるように頑張っていきたい」とかみしめた。

志願の直後に4番の決勝弾が飛び出した。8回投げ終え、ベンチで阿波野投手チーフコーチに「『ラストいかせてください』といった途端に岡本さんがホームラン打ったので最高でした」。2回と5回に二塁打を打たれながら、最少失点にとどめた。前回登板7月27日阪神戦、甲子園で7回5失点ながら大量援護での白星に「甲子園でふがいない投球をして自分の力だけでは勝てない。感謝しながらこういう投球を続けていけたら」と両リーグ今季最多投球数で気を吐いた。

その姿に原監督から「ファンの方も魅了されたんじゃないかな」と若きエースとして高まる信頼感。戸郷は「状態がいいときはあれだけの投球ができると再確認できた。ああいう状態を試合に持ってこられるようにしていきたい」と11勝目を見据えた。【栗田成芳】

 

▽巨人原監督(2本塁打で試合を決めた岡本和に)「打ってほしいとジャイアンツファンは思っただろうし、ヤクルトファンは1発だけは避けてくれというね。そういう場面で打てるというのは、やっぱりすごいですよね」 

▼岡本和が前日に続いて2本塁打。2試合連続マルチ本塁打は昨年村上(ヤクルト)が2度記録しているが、巨人では14年阿部以来7人、10度目。岡本和は2試合とも4番で出場しており、巨人4番打者の2試合連続マルチ本塁打は67、76年王、88年原に次いで3人、4度目だ。 

▼23歳の戸郷が完投で今季10勝目。巨人投手のセ・リーグ10勝一番乗りは20年菅野以来18人、25度目。巨人で23歳以下のシーズンにセ・リーグ10勝一番乗りは87年桑田(19歳)以来になる。87年桑田は最終的に15勝を挙げるも、最多勝は獲得できず。巨人で23歳以下の最多勝は69年高橋一(23歳)を最後に出ていないが、戸郷はどうなるか。 

 

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