オリックス山下舜平大投手(21)が史上5球団目となる球団通算5500勝に導いた。

6回2/3を6安打1失点の快投で今季9勝目を挙げた。1軍デビューを果たした3月31日開幕戦以来のベルーナドームで躍動。歴史ある球団史に名を刻んだ。チームの連敗は2でストップし、貯金19。2位ロッテが敗れたため、4ゲーム差に広がった。

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21歳右腕山下が、恥ずかしそうに球団通算5500勝の記念ボードを掲げた。「本当にすごいピッチャーが積み重ねてきた数字なので光栄でしかない。自分はちょっとしか貢献していないので…」。区切りの勝利投手には阪急時代の山田久志(日刊スポーツ評論家)、米田哲也らレジェンドがズラリ並ぶ。それを聞かされて恐縮しきりだったが、堂々の9勝目だ。

最速157キロの直球で力でねじ伏せるいつもの投球スタイル。さらにこの日はカーブ、フォークの精度も抜群だった。1点リードの5回には1死二塁からペイトンに同点打を浴びたが、追加点を食い止めた。最後は2死二塁から呉念庭をフォークで空振り三振。「なんとか最少失点で抑えられたところはよかったと思います」とこぶしを握った。

宣言通りの熱投だった。前日4日には蒸し暑い同球場の対策を問われて「ユニホームをいっぱい持ってきました。着替えるために」と明かした。たくさん汗をかくことを想定して試合中の着替え用ユニホームを5枚準備。前回7月28日の日本ハム戦ではプロ最短3回2/3で4失点して黒星を喫していただけに「(長いイニングを投げて)使い切りたい」と力を込めていた。

この日もベルーナドームの気温は35度を超える猛暑日だった。試合後は「(ユニホームは)5枚いきました。全部使い切りました。足りなかったです」と笑った。開幕投手に21歳を抜てきし、ここまで起用を続ける中嶋監督も「ある程度ゾーンで勝負できている感じ」と投球に目を細めた。デビュー戦の舞台だった敵地で快投を演じ、球団の右投手では11年西勇輝(現阪神)以来となる高卒3年目の2桁勝利も、目前に迫った。【桝井聡】

 

▼球団通算5500勝=オリックス 5日の西武16回戦(ベルーナドーム)に勝利して達成。初勝利は阪急時代の36年4月30日大東京戦(甲子園)で、通算成績は5500勝5244敗391分け。5500勝到達は巨人、ソフトバンク、阪神、中日に次いで5球団目。

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