阪神梅野隆太郎捕手(32)が5回に死球を受け、左尺骨骨折で今季の出場が絶望的となった。

5回1死。ヤクルト2番手今野の7球目、直球が左手首付近を直撃。その場で倒れ込み、苦悶(くもん)の表情で左手をおさえた。 試合後、岡田彰布監督(65)は「骨折。今年は無理だと思いますよ」と明かした。指揮官は「試合(終了?)前に、もう出とった(診断が)。だから、きついみたいやな。ベンチ下がった時に、こら骨折やなって。動かんかったからね」と大きなけがであることは覚悟していたようだ。

阪神の捕手登録は梅野と坂本2人だけ。捕手経験者は内野手登録の原口もいるが、危機的状況に陥った。岡田監督は「そら、キャッチャーやから上げなしょうがない。(梅野の)代わりはおらんよ。補充はできるけど」と離脱を嘆いた。

一方、梅野は試合後、京セラドーム大阪に戻ってきた。「チームも優勝争いしているところで、戦線離脱っていうことは個人的にはめちゃくちゃ悔しいし」とコメント。「自分はこれからやれることは治療に専念してやれることをやっていくだけ。あとはチームの1勝の積み重ねでアレっていう目標に向かっていけると思うので、チームを信じてね、自分もやれることをやって努力しながら、チームが勝ちを積み重ねていくのを見届けていきたい」とし、「こういう時しかないので、しっかり、いろんな外から見るものを吸収しながら、そういうトータルでやれることをしっかりやって、チームが優勝するところまで一緒に戦っていきたい」と必死に前を向いた。

◆尺骨 肘から手首まである2本の前腕骨のうち、小指側にある長い管状の骨。21年10月2日にオリックスの吉田正尚(現レッドソックス)が死球を受け骨折。全治2カ月の診断を受けたが、徹底した自己管理で11月10日からのCSファイナルステージに間に合わせた例がある。