プロ志望届を8日に提出したばかりの専大の最速152キロ右腕・西舘昂汰投手(4年=筑陽学園)が先発。9回1死まで1安打無失点に抑えるも、1球の失投に泣いた。

お互い無失点で迎えた9回裏。1死から三塁打を打たれ、山下来球外野手(2年=大阪桐蔭)にカウント2-2から低めのスライダーを打ち上げられ、サヨナラ左犠飛。西舘は「野球の恐ろしさを実感した。本当に野球はわからない」と、肩を落とした。

11日の1戦目に登板し、中1日での先発マウンド。「体のコンディションもよくなかったので。それが逆によかった。1戦目はコンディションが良くて力が入りすぎたんですが、今日は逆に体の疲れもあって、力感がちょうどいい。力じゃないんだと感じました」。

力感ないフォームから投げ込む球は、140キロ前半も、キレがよく打者は差し込まれた。「思いきり投げる150よりも、軽く投げる145の方が打たれないと感じました」。130キロ前後のキレのいいフォークを決め球に、10個の三振を奪った。「気持ち良く投げることができました」と、敗戦にも確かな手応えをつかんだ。

プロ志望届も提出したが、今はチームの勝利が優先だ。「スカウトが見にくるとどうしても力んでしまうんですが、個人的には(プロに)行きたい。でも今は自分を殺しても、チームを勝たせるのがエースだと思うので。それは徹底してやっていきたいと思います」。

敗戦にも成長の投球で、アピールを続ける西舘。ラストシーズンは、チームのために、腕を振る。