初キングへラストスパートの号砲だ。日本ハム万波中正外野手（23）が6回に左中間最深部へ24号ソロを放った。追い込まれながら楽天岸の直球を反応で捉えた4試合ぶりのアーチに、新庄監督も成長ぶりを認めて大絶賛。これで本塁打王争いトップの楽天浅村とロッテ・ポランコに1本差に迫った。本塁打王獲得へ、シーズン残り9試合で1本でも多くアーチをかける。
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自画自賛の1発だった。6回1死、万波がカウント1－2から岸の140キロ直球に対応した。「ちょっと差し込まれながらですけど、しっかり振り切れました」と詰まっていたが、パワーが違う。打球は左中間最深部のスタンドまで届いた。トップに1本差と迫る24号ソロに「いい打撃だった。反応でうまく打てた」と手応えがにじんだ。
もはや万波の打撃は、新庄監督の「勘ピューター」も及ばない。敗戦後の第一声も「成長を感じましたね、今日のホームランは」と万波の話題を自ら切り出した。
岸は初球がチェンジアップで2球目は直球。ともに見逃して追い込まれた万波だが、3球目の直球はボールと見極め、4球目の直球を捉えていた。
多彩な変化球を操る岸だけに、指揮官は「俺ならスライダーかスローカーブで待つかなってところ」と配球を読んだが外れていた。さらに万波の対応力とパワーに「真っすぐを、ちょい詰まりながら持っていったところは、なかなかやるなと思いましたよね」。うれしそうに振り返った。
この日は25本の浅村とポランコ、23本のソフトバンク近藤にアーチは出ず、1人だけ本数を積み上げた。「気にはなりますけど、あんまりムキにならずにはできてる感じがある。いい意味で自分にちゃんと目が向いてる感じはします」と1番打者として出塁することも心がけながら、最近7試合で4発目。残り9試合で、いつ追いつき、追い越して、どれだけ上積みできるか。「並ばないことには抜かすこともないんで、もうとにかく1打席でも早く追いつきたいです」。初キングを見据えて、力を込めた。【木下大輔】
