DeNAが4位巨人との直接対決を制し、巨人の自力CS進出を消滅させた。

2回にルーキー林が先制&決勝の適時打。先発大貫が7回途中無失点&自己最多の11奪三振と好投し、7回のピンチは1人1殺の「マシンガン継投」で1点のリードを守った。4回には11年目の宮崎敏郎内野手(34)が、自身1075試合目でプロ初盗塁をマーク。2年連続の70勝到達は97~99年以来で、4位とのゲーム差を3に広げ、2年連続のCS進出に前進した。三浦監督が掲げる「走攻守」での全力野球で巨人に引導を渡した。

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1点リードの4回1死一塁、カウント2-1から伊藤への4球目だった。エンドランのサインに、一塁走者の宮崎がスタート。伊藤は空振りしたが、やや送球もそれ、悠々と二塁に滑り込んだ。プロ11年目、1075試合目での初盗塁はプロ野球史上最も遅い記録だった。“歴史的な瞬間”を目撃したファンから大きな歓声と拍手が起こった。

「1個決められて良かったです。(記録は)いいのか悪いのかわからないですけど…。今までチャレンジしたことはあったんですけど、ファウルだったり、三振だったりというのがあったので。サイン通りに決められて良かったです」

先制点の起点をつくったのも、宮崎だった。セ・リーグ打撃ランキング1位が、0-0の2回無死から右前打で出塁。伊藤の犠打で二塁に進塁し、2死二塁からルーキー林の適時打で激走し、先制のホームに滑り込んだ。この日、スコアボードに刻まれた得点は2回の「1」。林の“プロ初”の決勝打&宮崎の全力疾走が、チームの連敗を2で止め、巨人に引導を渡した。

今季、三浦監督が掲げる走攻守全ての「全力野球」を体現した。宮崎の盗塁について、三浦監督は「エンドランでもしっかりスタートを切って、走ってたからこそセーフになったと思います」と姿勢を評価。普段の全力疾走にも触れ「遅いから走らなくていいわけじゃなく、ああいう姿勢はチームにいいものを与えてくれる」と絶賛した。

4位巨人とのゲーム差を3に広げ、巨人の自力CSを消滅させ、2年連続のCS進出に前進した。三浦監督は「そこ(CS進出)に関しては、確かに大きな1勝かもしれないですけど、目標はそこじゃないので。1つでも上を目指してってところで、そのために今日勝ったのは大きかったと思います」とさらなる高みを求めた。【久保賢吾】

○…大貫が奪三振ショーを演じ、約3カ月ぶりの4勝目を挙げた。シーズンでは“プロ初”の2ケタとなる自己最多の11奪三振。「1人1人集中して投げられ、終盤の勝負どころでも焦ることなく、じっくり勝負できた」と話した。7回のピンチでは伊勢、エスコバーを1人1殺で投入する「マシンガン継投」で1点を死守。三浦監督は「大貫もリリーフ陣も自分の仕事をしてくれて、よく守り切った」と評価した。

▽DeNAエスコバー(1点リードの7回2死二、三塁で登板し、代打ウォーカーを3球三振)「オトコハ、ダマッテ、ナゲルダケ」

▽DeNA林(プロ初の決勝打)「何とか後ろの大貫さんにつなごうという気持ちが、このような結果になって良かった。チャンスだったので、思い切っていこうと決めてたのがいい結果に結びついた」

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